明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


先日、アダージョ14号用の背景を撮影した。アダージョの場合、背景を先に決めて、その現場にあわせて造形することになる。都営地下鉄駅周辺が背景と決まっているわけだが、画になる場所ばかりではないので、そのかわり、主人公に現場に合わせてもらうことになる。今号の小津安二郎が弁慶の7つ道具よろしく、映画用カメラ、ヤカンなどと、少々賑やかだったので、次号はあっさりといきたいと考えていて、できれば多少サスペンスタッチに、と思うのだがどうだろうか。佳境に入る。
野村総研のリチャード・クーは、プラモデルを作ってあたかも実際の飛行機を撮影したかのような写真を撮っている。ごく近所のプラモデル屋にも顔を出すそうだが、特に実際飛ぶことのなかったドイツ軍の飛行機を飛ばすところが良い。私も写真がほとんど残されていないブルースマンなどは別にして、過去にさんざん写真に撮られたミュージシャンを人形作ってまで撮っても面白くないと、作家シリーズに転向したのでよく解るのである。肝心なのは、被写体に当たる光だというところや、クラシックカメラに類するコンタックスやコンタレックスを使っているところなども、よく解っている人物だと感心する。撮り方は企業秘密で、などとぬかすところが野村総研だが、といっても野村総研が何屋なんだか私はよく解っていないのだが。

01/07~06/10の雑記
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