明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



 図書館にてエドガー・ポーを読む。やはり今回はいつものようにはいかない。乗合馬車など撮りようがないし、マリーもいなけりゃレスパネー嬢もいない。フレームの中に、やれる範囲で収まるようにしないとならない。すぐ近くの書棚に『アルコールと作家たち』ドナルドW グッドウィン 小山昭夫訳が目に入った。案の定、たくさんの作家の中から、いきなりポーであった。ポーに関しては実は紳士であった、とか酒を飲んでいるところなど見たことがない、など様々な証言が残されているが、酒を断つことができず、飲まれてしまう人物だったことは間違いがなく、作品にはアヘンの影響を読み取る人もいる。先日戸川安宣さんに、ポーの縫ぐるみや大鴉のフィギュアを見せてもらったが、海外には様々なグッズが売られており、Tシャツと首振り人形の売り上げだけで、ポーの生涯得た金を遥かに上回っているというのが可笑しかった。  崩れてしまった携帯だが、これはどう見ても製造工程に原因がある。メーカーに対していいたいことはあるが、借りたばかりの代替機を濡らして壊したのは私が悪い。ショップで2万円強を払う。遅い昼食で氷の入った薄いホッピーでポーを読む。が水分ばかり取って話にならない。やはりK本で、正調のチューハイを飲もうと店を出ると、男がらみの問題で何ヶ月も店を閉めていた、と聞いている某煮込み屋に暖簾が出ていたので入る。件の中年女将を横目に見ながらさらにポーを読む。しかし客がまずかった。常連らしき白髪まじりの三人組。どこの店が美味いの不味いの、といい大人が人前で喋ってんじゃない。あげくに志ん生がどうの、と通ぶった連中になかなかポーが頭に入っていかない。いくら下町深川だからといって、こういう連中ほど気持ち悪いものはない。そういえば神田の居酒屋にも、いちいち江戸っ子ぶって「ただの大工ですから」を連発する馬鹿がいたが、こいういうのが店にいると、いらいらしてピッチが上がってしまう。 つまり本日の私は、無駄な2万円が下地にあるようである。しかも自分が悪いというのが効いている。おそらくポーもしょっちゅうこんな気分だったろう。K本に行き、さらにT千穂に顔を出し一日終わる。

世田谷文学館展示中

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