大型プリントは、ほんの一部以外、搬入時に初めて見るといった状態で、そんなことではいけないのだが、様々な事情でやむを得なかった。会場では二日目辺りになって、私が制作したのは間違いはないが、と妙な気分で眺めた。私の場合、先にやってしまってから、こういうことだったのか、とか、こんな事をしようとしていたのか、と頭が追いつく事が多い。解らないでやってました、ではあまりにカッコ悪いので、始めからそういうつもりでやりました、という顔をしてしまうのだが。 何でこんなことをしているのか解らないが、やらずにおれない、ということは必ず結果が良い。私とて樹や草と同じ自然物。身体に任せておいてもそう、おかしなことにはならないと考えている。反対に性能の悪い表層の脳をひねり回すとロクなことにならない。これに早々に気づいたことは幸いであった。 今回の展覧は中締めと考え、出せる物をできるだけ出品し、どちらかというと落ち着いて無難に、と考えていたつもりが、拡大プリントと人形展、ということになってしまい、予定より攻めた格好の展示となった。結果はこれで良かったのだが。一寸先のことさえ良く判らない。これでいいのか?いいのだろう。
石塚公昭HP
『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第5回