『タウン誌深川』の『常連席にて日が暮れる』第6回を入稿。木場の居酒屋河本が休業に入り来月で一年になる。女将さんが熱中症で倒れたのが昨年の6月である。深川江戸資料館の個展に来てくれたくらいで、すこぶる元気である。しかし厨房担当の女将さんの弟のあんちゃんがあちこち不具合があり、再開のメドはたっていない。私としてはこの連載は、あくまで河本再開前提であり、読者の中にもそれを待っている方がいるだろう。以前のような河本に戻らないのだとすれば、それを承知で連載を続けるわけにはいかないと考えている。と真面目に考えつつ、今回は酔っぱらいの話を書いてしまった。 図書館に行き大判の美人画全集を見る。鏑木清方は『樋口一葉』と特に『築地明石町』は傑作だが、あとは意外な程ピンと来ず。 ヤフオクにて行灯を入手。浮世絵の春本は、高級な物にはエンボス加工のような、立体感を出すためだけの版が使われている。これは寝床で行灯からの低い光によって初めて陰影が現れるように工夫されているのであろう。私の行灯の使用目的はもちろん撮影用であるが。
石塚公昭HP
『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第5回