明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



来年最近の手法での個展を開きたいと考えている。おそらくタイトルは『ピクトリアリズム3』。最初のピクトリアリズム展は2000年。その前年に一日限り、という企画でオイルプリントを初披露したが、正式なオイルプリントの個展としてはこれが始めてであった。試作を始めたのが91年であるから10年近くかかったことになる。それを考えると、ゼラチンを厚く改良した“石塚式”は、ワークショップの参加者で、初日にプリントした作品を個展やグループ展に出品する方々がいてなんとも感慨深いこととなった。 その後、オイルプリントを発表し続けた時期から随分経ち、時代も様変わりして、古典技法に取り組む人も増え、ハスノハナで古典技法の4人展に参加したのをきっかけに2015年オイルプリントによる『ピクトリアリズムⅡ』を開いた。ピクトリアリズム=絵画主義ということになるが、そういう意味では今回の手法も絵にしか見えないが、印象派などの絵画に近ければ芸術性が高いと思われたような過去の時代はともかく、絵画にいかに近いかではなく、絵画的でなくては実現できないイメージがある、ことが重要であろう。 さらに私の場合は西洋的なるものに少々ウンザリしており、それこそフランスの印象派に衝撃を与えた浮世絵などの我が国の芸術に、ここ数年関心がある。西洋人とはいえ、印象派の巨匠達はさすがに良く解っていた。 それにしても、この調子で行くとピクトリアリズムは、私の半生に及ぶテーマとなりそうである。

※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
ビリケンギャラリー
 住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
 TEL:03-3400-2214
 営業時間:12:00 ~19:00(月曜休)
 ホームページ:http://www.billiken-shokai.co.jp/

※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載4回「哀しい背中」
※深川江戸資料館にて九代目市川團十郎像を展示中。11月12日まで。

HP

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