明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



地元の『タウン誌深川』の最新号で、51歳で、私よりずっと若くして亡くなった松尾芭蕉を、どいつもこいつもいい加減なジジイ扱いして、門弟が師匠はこういう人だった、と肖像を描き残しているのに無視して何処の馬の骨か判らない芭蕉像を乱造して、ということを書いた。一説には全国に2千体はあるという。地元深川にもあるが、これから2400キロの旅に出るというのにすでに軒下にへたり込んでいたり、顔もまちまちである。実在した人物に対するリスペクトがまったく感じられない。銅像など腐りもせずそこに居続ける訳である。なんでそのような加減なことが平気でやれるのか?私はその人物に見せて恥ずかしくないよう。さらに常にウケることに心を砕いて来たのだが。それに引き換え、先日書いた鏑木清方の肖像に対する考えなど、じつに真摯であり、うたれた。 私は以後、頭部をすでに作ってある人物を別にすれば、依頼されない限りは実在した人物を作ることはないだろう。つまりもう人物について調べ、思いを馳せ、気を使うことから開放されることを意味する。もっとも小学生の時から、好物だったのは人物伝、評伝の類いであったし、興味の対象は人間だけ、といっていいくらいなので、興味が薄れることはないだろうけれども。

※『拝啓つげ義春様』
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)『ゲンセンカン主人』展示
ビリケンギャラリー
 住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
 TEL:03-3400-2214
 営業時間:12:00 ~19:00(月曜休)
 ホームページ:http://www.billiken-shokai.co.jp/

※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載5回「芭蕉の実像」


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エンケンこと遠藤賢司が亡くなった。小、中の同級生Eにメールをしたら、中学卒業間際、同級生3人で記念にカセットに歌を録音した時に、私は「寝図美よこれが太平洋だ」を歌ったそうである。吉田拓郎、武蔵野タンポポ団その他、3人で分担して録音した記憶はあるが、それよりむしろ私の演出でドキュメンタリー風に私とYが「E君」。2階からEが「おお上がれよ」から始まることや、当時の高校野球、ヘビー級ボクサーのジョー・フレイジャーのデカパンの話などの会話を入れたことを憶えている。Eとトレードした岡林信康や中津川フォークジャンボリー、吉田拓郎のライブ盤など未だに手元にある。Eは深川江戸資料館の個展に久しぶりに彼と血がつながっているとは思えない美人のお姉さんと来てくれた。 中学時代は先端をいくロック少年であった私はアイドルにうつつを抜かす同級生を馬鹿にし、これを聴け、と啓蒙活層にいそしんでいた。先生にドアーズを取り上げられ「ハートに火をつけて」「タッチミー」「あの娘に狂って」?なんだこれは!と叱られている所をEは憶えている。おかげで後にキャンデイーズのファンになった時は、こそこそと隠れるように隣町のレコード屋まで買いに行くはめになったが。そんな私にフォークを教えてくれたのがEであった。高校受験の朝、遠藤賢司の『満足できるかな』(71)を聴いてから受験に望んだ記憶もある。Eはお袋さんと二人の介護生活で、私が近所まで行くから、といっても喫茶店で会うこともままならない。いずれあのカセットに録音した曲などカラオケで歌いまくりたいものである。

※『拝啓つげ義春様』
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)『ゲンセンカン主人』展示
ビリケンギャラリー
 住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
 TEL:03-3400-2214
 営業時間:12:00 ~19:00(月曜休)
 ホームページ:http://www.billiken-shokai.co.jp/

※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載5回「芭蕉の実像」

※深川江戸資料館にて九代目市川團十郎像を展示中。11月12日まで。

HP

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