明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



今まで作って来た人物像のうち、今回の手法に合いそうな人物を順次改めて撮影していくつもりだが、ある人物は、なんでこの人物がこういう状態なのか、ということのためにもある場所を背景にしたい。その場所は、交通局のフリーペーパーの表紙を担当した時に、じつは断られている。前例がない、一度許可すると他も許可しなければならなくなる。いかにもお役所的な理由であった。断られる場合はだいたいこれである。 隔月の発行であったが、じりじりしながら特集人物と特集場所が決まるのを待ち、決まった瞬間から写真資料を(ほとんど自分で)集め、頭部を制作しながらロケ場所を連日ネットを検索しながら探す。内部的にOKでも撮影許可がなかなか下りない場合もある。しかしそれを待っている時間はない。一か八か見切り発車で全身を作り始める。確かに交通局という威光で、スムーズに許可が下りる場合も多かったが、前述の理由で、その人物の背景は許可がおりないこととなった。ここを背景にするからこそ、人物の状態をそうした。熟慮の末のアイデアだっただけにこれは悔しい。 さて。もう構うことはない。私の作品として発表するのだから、叱られたってたかが知れている。リベンジは必ず果たす。私は普段ボンヤリしているようで、制作のこととなったら、マムシに蛸足の如くの執念深さである。そのためには、どうしても有事に備えて普段ボンヤリしている必要がある。

※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
ビリケンギャラリー
 住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
 TEL:03-3400-2214
 営業時間:12:00 ~19:00(月曜休)
 ホームページ:http://www.billiken-shokai.co.jp/

※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載4回「哀しい背中」
※深川江戸資料館にて九代目市川團十郎像を展示中。11月12日まで。

HP


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