高校の夏休み、バイト代に釣られて鉄骨運びのバイトをした。腕力だけではないな、となんとなくコツを掴んだ時には夏休みが終わり、もしや人生もこんな調子で終わりを迎えるのではあるまいか?とふと思ったことを覚えているが、いよいよリアルになって来た。なのに実際は、これから登るべき山を見上げながら、そのふもとに向かって尾根を下っているような、理不尽な想いに歯噛みする気分を相変わらず味わっている。40年も登っていると、ショートカット用吊り橋など、どこにもないことは知っている。それでも登る山があるのは結構なことではあるし、物心ついてからこの山を登るべくして登っていることを納得しつつある。それに本日、拾得に遅れて寒山の首も完成し、後は人形用毛髪を貼り付けるだけである。今日の午前中には絶対戻りたくない。