箒に続いて拾得のチリトリ完成。以前だったらムラに着彩し、リアルにするのだが、陰影のない石塚式ピクトリアリズムでは、あまり効き目がない。特に顔などは、よりリアルに、なんて重ね塗りしてあると見た目はリアルでも、撮影してみると、ただ汚れているように見え、一色のベタ塗りに塗り直すことになる。何故そうなのかは判らないが、そういえば日本画でも、形として着衣がビリビリであったとしても汚し表現は少ないように思える。 陰影や着彩による工夫が発揮できないということは、より私の原点である人形の造形が成否を分けることになる。有名な写真に帰れという言葉ではないが、ここに来て人形に帰れ、といわれているようで。これもまた妙な気がしている。 これで寒山と拾得の髪に取り掛かるべきだが、その気になれず、90パーセントは出来ている臨済義玄の仕上げに入った。