明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



寒山拾得以来のシリーズでは人形であるし絵画的ではあるが写真であるし、なのであえて古来からのスタイルを踏襲してこそ面白い、と考えてきた。おおよそ長焦点レンズ的である。しかし曾我蕭白のまるでオーパーツの如き超広角レンズ的『石橋図』の表現には、そんな私を嘲笑うかのようである。以前つげ義春トリビュート展で、当時は陰影を排除するだけでなく、古来の日本的遠近法にも挑戦したが、さすがに写真となると無理があり、バラバラにして組み立てるしかなく、これは私のイメージしている行為とは違うと断念。会期中に2度、作品を差し替えるという失態を演じた。 蒙古兵に喉元に刀を突きつけられ平然としている無学祖元。喉元に焦点を当て、蒙古兵の表情を広角的に、など考えないでもないのだが、果たして面白いだろうか。曾我蕭白も超広角表現を思いついたものの、この表現は絵には合わない、と一点で止めたのかもしれない、と思ってみたり。



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