明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



レンズには特徴がある。旧いイギリス製レンズで母を撮ったら、本人には見せられない写りとなったことがある。しかしそれもこれも使いようであり、数年前河童や鎮守の杜の姫神様など撮るために、いささか妖しげな描写をするレンズを集めた。よくいえば幽玄的といえなくもない。梅雨時に表れたジメジメと生臭い河童を撮るには最適と思ったが、河童は一メートルから、マテ貝の穴に隠れるくらい、己のサイズを変えられる。それに人形を実景に合成するので、縮尺率の違いや、レンズのボケによるはみ出し、などがかえって邪魔になり、結局今時のズームレンズで大半を撮り、梅雨時の鬱陶しい風景にのみ使用した。それが石塚式ピクトリアリズムとなるとさらにレンズの味は不要となった。 しかし元々が嫌いではない。レンズ名こそ違うが、どうもあの時入手したレンズのOEM,製品とおぼしき、違う画角のマクロレンズを入手したら、まったく同じ描写の”幽玄レンズ”であった。そこで例えば石膏により作る、背景の中国風奇岩風景部分、あるいは仙人、寒山拾得など合成を要しないカットには使ってみたい。

 



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