英語道(トラスト英語学院のブログ)

長野県伊那市の英語塾「トラスト英語学院」の塾長ブログです(^^)/
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一言のタイミング

2017年01月18日 | 指導現場にて
年末年始休業明けに長男(中1)の中学校で行われた定期テストの翌日。長男が数学の先生に廊下で呼び止められたそうです。
先生:「今回の数学はどうだった?」

長男:「手応えはあったと思います」

先生:「やっぱ、そうだよな。答案がイキイキしていたぞ」
帰宅後、このやり取りを長男は嬉しそうに報告してくれ、数学になお一層の自信が持てたようです。

先生や親など周りの大人のちょっとした一言が、子どもにやる気や自信を与えるきっかけになります。その一方で、そのタイミングを逸してしまうと、その後の人生の選択にも影響を及ぼすかもしれません。

私は中学1年生の時に長野県西部地震を経験し、それ以来、地震に興味を抱くようになりました。地震があるたびに、本震と余震の間の時間を計ったりしていました。シアトル留学中は、地震センターでのボランティアを真剣に考えたほどです。

王滝川の自然湖(2006年9月撮影
今思うと、中学校の頃の私は地震学者(seismologist)になりたかったのではないのでしょうか。当時は、望遠鏡を購入し、徹夜で天体観測をしていたぐらいですから、地学自体に興味を持っていたのでしょう。しかし、高校になって理系科目が苦手になり、「自分は文系人間なのだ」と決め込んでしまい、進路を決めました。

それから時は過ぎ、社会人になってから数年が過ぎたある日、母から次のようなことを聞きました。

「中学3年の時の保護者面接に行った時、玄関で数学の先生に呼び止められて、『息子さんは数学のセンスがあるから、将来楽しみですね』と言われたことがあるよ」

この言葉を聞いて、私は母に詰め寄りました。なぜ、その当時にそのことを言ってくれなかったのかと。自慢になってしまいますが、中学時代は数学が得意でした。しかし、英語がそれ以上にできたため、自分の中では“数学ができる”という意識はありませんでした。

私は思い込みが強いため、「数学ができる」と先生に言われれば、いい意味で真に受けて、もっと数学にのめり込み、理系の道に進んでいたかも知れません。

教育現場に身を置くようになった現在、上に述べた経験が役立っています。生徒の個性や長所を見抜いて、タイミングよく、少し煽ててあげる。そうすることで、生徒は「自分は出来るんだ」と思い込み、やる気を出して勉強に打ち込むようになるのです。子ども達は大人が思う以上にちょっとした一言を覚えていて、「あの時の先生の言葉に背中を押されました」と、私が覚えていない瞬間を反芻してくれることもしばしばです。

時に厳しく時に優しく・・・。そんな言葉を発せられる指導者であり続けたいと思います。


コメント
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