英語道(トラスト英語学院のブログ)

長野県伊那市の英語塾「トラスト英語学院」の塾長ブログです(^^)/
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思い出の夏にする

2017年07月27日 | 閑話
第一志望の早稲田を目指し、代々木ゼミナール代々木校で浪人していた1990年の夏、椿本先生の夏期講習のテキスト「早大古文ゼミ」を、友人からコピーさせてもらいました。テキストの本文ではなく、“はしがき”のみを・・・。

以降、この文章は、浪人して早稲田を目指していた私の心の支えとなり、今も私の中で生き続けています。
「早稲田の学生証をもらった時、これまでの人生でいちばん欲しかったのはやっぱりこれだったのだ、ということがはっきりわかりました」という手紙をくれた男がいた。

一文に受かって、上智の外国語学部をけった女の子もいた。学費を払ったのだから上智に行けという田舎の父親を、彼女は懸命に説得した。そして、しめ切りの日の夕方、やっと学費のふり込みに成功したのだった。最後の三日間、彼女は泣き通して父親の心を動かしたのだ。

一点足りずに落ちた男もいた。そのことを知った時、彼のお父さんは息子に「もう一年やれ、俺が応援する」といったそうだ。彼は即座に青学をやめて受験勉強に入った。発表の日、彼がまっさきに合格の報告をしたのは、会社にいる父親であった。

「早稲田が俺を呼んでいる」といいづづけていた男もいた。彼は、親をだまし、すべりどめ校も受けずに早稲田だけ受けた。政経学部の試験日の前日に熱を出し、それでも四日連続の入試に耐えた。受かったのは法学部だけであったが、報告にきた彼は、ほんとにいい顔をしていた。

こいつらとは、私はいまでも一緒に酒を飲む。これからの長い人生で、こいつらになにが起こるか、私にはわからないけれども、彼らが、人生のその時々に目標を定めることができる奴らであり、その目標に向かっていく闘争心をもっている奴らであることだけは信じている。

あと七ヶ月。硬派の早大生になってほしい。そして、僕でよければ、一緒に飲みたいと思う。

(引用:1990年 代々木ゼミナール夏期講習 椿本昌夫「早大古文ゼミ」はしがき)

多くの高3生と大学受験生が夏休みに入り、勝負の夏に挑んでおります。「夏なのに、なぜこんな思いをしてまで勉強をしなくてはならないのか」という思いを抱いている人も少なくないはずです。椿本先生の言葉の全部を読めば、その意味が少しは分かるかも知れません。

たかが受験、されど受験。何事にも熱くなれるのは若さの特権です。しかし、大学全入時代の昨今、ここまで大学受験に熱くなれる受験生を見かけることは少なくなりました。だからこそ、少しのこだわりと努力の継続で、夢は叶うのです。数十年後に今年の夏を振り返った時、「あの夏の時間があったから今がある」と言えれば、最高ですね。


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