2024年度第2回英検の申し込みが締め切られました。
英検のレベルについては、「3級=中学卒業レベル、2級=高校卒業レベル」と考えられていますが、現場で教えている者にとっては少し違った感覚があります。
私が塾業界に身を置いた20年前から感じていたことではありますが、「え?2級に合格しているのに、この程度のことも知らないんだ?」と思わせられる場面に数多く遭遇します。私が高校生・大学受験生だった昭和後期や平成初期の頃は、2級合格者の英語力はもっと高かったように思います。ですので、私は現在の英検2級の英語力は信用していません。
こんな風に書くと独りよがりの意見のように思われますが、同様に感じているのは私だけではないようで、とある高校の英語の先生が Facebook で次のように書かれていました。
「今の2級は、3年次進研偏差値40台、共通テスト4割程度でも受かってしまいますよね。でも、30年くらい前は、センターで8割近く取れ、偏差値は65くらいないと受からなかったと思います。そして合格者の大半は高3で、英語がすごく好きな生徒だったと思います。それでもなお2級を取れる高校生は貴重でした。でも今は高1で2級に受かるのも珍しくありません。相対的に英検2級程度は大したことないという認識に現場もなりつつあります」
このコメントを読んだ時、「やはり、そうか・・・」と妙に納得してしまいました。中学生や小学生でも2級合格は珍しくありませんが、ぶっちゃけ、単語さえ覚えればギリギリでも合格できる可能性が高くなるからです。
ただ誤解していただきたくないのは、「英検2級を受けなくていい。受からなくていい」と言っているわけではありません。2級のレベルが昔よりも下がってしまったからこそ、本物の英語力を身につけるための通過点として、絶対に合格しなければならないのです。「2級なんか受かって当然!」という意気込みで、早くに準1級へチャレンジしてもらいたいです。
東大や京大などの旧帝大、早慶上智、GMARCHといった難関大学では、準1級レベルの語彙と英文が当たり前に出題されます。むしろ、準1級以上の英語力がないと勝負できません。難関大学を目指す場合、遅くともは高3の夏、つまり高3時の春の英検で準1級合格しておきましょう。そうすれば、推薦入試を含めて、チャンスと選択肢がグッと広がります。
英検2級合格者の共通項が、文法力が圧倒的に足りてないという点。準1級に向けて語彙力を高めるのは当然ですが、それと同等に英文法も徹底してやり直さないと、遅かれ早かれ、痛い目に会います。理想としては、一問一答形式の問題集『英文法・語法 一問一答』(東進ブックス)に収められている問題がサッとできて、自分で解説できるようになるまで繰り返せば、英検準1級や1級、そして難関大学受験に耐えうる文法力が備わっている証拠となります。
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