夏休みに入る直前、各高校では三者面談が行われましたが、それに合わせて当塾でも生徒たちに志望大学調査を行いました。一ヶ月以上も前から「7月下旬に志望大学調査をするから、特に高1生は目指す大学に見当をつけておこう」と指示しておきました。
そして、先月末に志望大学を記入してもらいました。高1生たちはまだ大学や大学入試制度に詳しくないながらも、医学部を目指す者、公務員になるために法学部を目指す者、昔から憧れていた早稲田を目指す者・・・。志望大学も志望理由も十人十色で、目標設定ができつつあると一安心しかけたのですが・・・。
では、第一志望の大学に合格するための勉強姿勢はどうなのか?目標は高いけど行動が伴っていないことに首を傾げたくなります。
高1生には全員に文法を徹底させるため、文型から始まり、時制、助動詞、受動態、不定詞、動名詞、分詞、関係詞と順を追って一つずつ丁寧に指導していますが、例えば、5文型を言わせてもスムーズに言えず、They say that she lives abroad. と They say that she lived abroad. という英文をそれぞれ2通りの受動態に書き換えさせても、解答に詰まってしまう生徒がほとんどです。すべて教えたにもかかわらず・・・。
復習と重要事項の暗記を徹底していないのです。つまり、授業を受けただけで満足してしまって、英語ができるようになると勘違いしているのです。
ピアノ教室に通うだけでピアノが弾けるようになるのでしょうか。練習法やフォームの動画を見ただけでフルマラソンを完走できるのでしょうか。
因みに、上述した書き換えの答えは以下の通りです。
・They say that she lives abroad.
= It is said that she lives abroad.
= She is said to live abroad.
・They say that she lived abroad.
= It is said that she lived abroad.
= She is said to have lived abroad.
英語の指導者の中には、「今の時代にこのような書き換え問題は入試に出題されないし、もっと実践的な長文の読み方を指導すべきだ」と言われる方も少なからずいるでしょう。
でも、こういう文法知識を使って英文を使い回すトレーニングができてないと、その英語力は砂上の楼閣です。例えるなら、一流のサッカー選手は、リフティングもめちゃくちゃ上手いです。ボールを自由自在に使い回せるからです。英語だって同じですよ。
学校の授業でも予備校や塾の授業でも、まずは習ったことを徹底して復習する。そして、暗記すべきことは暗記する。そんな当たり前のことを繰り返せないから、目標が達成できないのです。
この2~3週間、ほとんどの高1生に厳しい言葉を投げかけました。このままの勉強姿勢でいいのか、と。第一志望の大学に合格するために、軌道修正するのは今しかありません。大学受験はもう始まっているのですから。
このフレーズを見て小学生時代を思い出しました。リチャード・クレーダーマンのピアノ曲を知るまでは嫌々ながら習っていたので全く上手くなりませんでした。
ところがリチャード・クレーダーマンの曲を聴いて感動し、自分でもできるようになりたいと思ってから生まれ変わったかのように急激に上達しました。
去年、初めて気付いて実感したのですが、能力云々の問題ではなく、モチベーションの維持・管理の問題でした。
いくら能力があってもモチベーションの維持・管理ができなくなれば、その能力は消滅してしまうこともあります。