秋もいよいよ深まり、大学受験は推薦入試のシーズンを迎えます。大学入試センター試験の出願も締め切られたこの時期、高校生からは「赤本(過去問)はいつから解き始めたらいいですか」という質問をよく受けます。
結論から言うと、「遅すぎる!まだ解いていないの?」
高3生には、受験勉強を本格的に始める前、つまり遅くても3年生になる直前の春休みまでには、第一志望の大学の1年分は解いておくように指示するのですが、それを実行に移す生徒は少ないのです。
なぜ、本格的な受験勉強を始める前に過去問を解くか?答えは簡単。第一志望に合格するために、志望校の傾向を知り、その傾向にあわせた勉強方法を組み立てるためです。極端な例を挙げると、慶應義塾大学経済学部では長文しか出題されません。それなのに、いつまでも文法問題演習中心の勉強をしてても、受かるものも受かりません。そのように利用すべき赤本を、ほとんどの受験生が力試しとして、年が明けて入試直前に手をつけるのです。もし、正答率が低かったらどうするのでしょう(まあ、ほとんどがそうなるのですが・・・)。入試が直前に迫っているのに自信を失うだけです。
受験勉強を本格的に始める高2のうちに第一志望の過去問を解き、「1年後にはこの問題に対応できる力をつけよう」という決意のもと、出題傾向に沿った勉強方法を確立していくのです。
かくいう私は、実は高2の時には解いておりませんでした。しかし、浪人したときの4月中に第一志望である早稲田大学政治経済学部の3年分を解き、英語に関しては全て音読を完了していました。自分の母校となるべき大学で出題された英文。暗記してしまおうという意気込みで取り組んだのを覚えています。
高2生諸君!いよいよ君たちが大学受験を意識する番です。目標はいくら高くたって構わない。大切なことは、その高い壁をいかにして越えてやろうか、というヤル気と向上心です。だからこそ今、第一志望の赤本を解こう!