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スズメ2

2010-06-19 21:09:06 | 動物記

シフォンを受け取るスズメを観察している。ちょうど目より高い位置の枝から、タイミングよくフライングキャッチをするので、喉の下の黒い斑がよく見える。黒斑はどっかのCMよろしくノドグロと呼ぶことにした。もう10数羽のスズメがフライングキャッチをするようになった。ノドグロの大きなものは、まず必ずキャッチできる。やはり年の功なのだろう。しかしノドグロが小さいのは、落とす率が高い。「もう一度おいで!」と言う声に応えて、なんども繰り返し挑戦する様は実にかわいい。口にくわえても途中落としてしまうのだ。たいてい3回ぐらいでOKなのだが、多いのは5回を超えたものもいる。群れの中に一羽、嘴に黄色い色があるのがいる。初め、シフォンをくわえたまま、もう一度シフォンをねだりに来たのかと思ったが、そうではないらしい。しかとは見えないがどうも嘴の異常のようだ。とはいえ機能的には問題なさそう。

留鳥となった親鳥の生活圏は半径150mぐらいだと書いてあったから、スズメたちはどこからか私が窓近くに立つのを見張っているのだろう。窓近くに立つと一直線に飛んでくるから。

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さて、2冊目、「スズメの大研究」(国松俊英著 PHP研究所)を読んだ。これも小学中級以上となっている。この著者は、先の「わたしのスズメ大研究」の著者、佐野昌男さんにインタビューして、内容を載せている。こちらはこちらで視点が少し違うので、スズメに関する昔話もたくさん紹介されていて、読んでいてたのしい。

                                                         

中西悟堂さんのエピソードも載っている。悟堂さんは野鳥という造語を生み出し、野鳥の会を作った人である。その悟堂さんがスズメをならし、散歩に何羽ものスズメを連れて行った。スズメがそんなに人に慣れるなんて思いも寄らなかった当時の人たちは、悟堂さんをスズメの学校の先生と呼んだそうだ。悟堂さんがカラスをならした話を覚えている。毎朝、そのカラスが階段を歩いて上がってきて、寝ている悟堂さんの鼻をつまんで起すという話だった。だからその話を読んでからカラスを飼いたいものだとずっと思っていた。

                                                         

もっとも、現在は残念ながら野鳥をつかまえることも、飼うことも法律で禁じられている。スズメやカラスといえども捕まえて飼うわけにはいなかいのだ。鳥を拾って飼う事も出来ないのだ。

                                                         

人間に寄り添うようにして生きてきたスズメ、スズメの好物はまだ実って硬くならない米の汁。スズメは嘴を白くしてその汁を飲む。落穂拾いのイメージがあるが、まだ実らない稲の方がすきなのだそうだ。で、稲を荒らす害鳥として、農家からは厄介視されてきた。

                                                         

その事例としてプロイセンと中国が紹介されている。プロイセンは言うまでもなくドイツ、しかも有名なフリードリヒ大王の話だ。大王はサクランボが大好きだった。ところが実が成るとスズメがやってきて、たくさん食べてしまうのだ。

                                                         

我が家のサクランボも赤くなったところをスズメが突付いてしまう。ヒヨのように丸呑みできないので、片っ端から突付いてしまうのだ。私も「食べてもいいが、もちっと行儀よく食べろ」と怒鳴っている。

                                                         

フリードリヒ大王もすずめ退治を家臣に命令し、2年間で80万羽以上のスズメが退治され、城の周りからスズメの姿が見られなくなった。これでサクランボが食べられると大王は喜んだが、スズメがいなくなるとサクランボの木には毛虫がついて、芽や葉を食い荒らし丸坊主にし、サクランボはまったくならなかった。大王はスズメが害虫を退治してくれていたことがわかり、スズメを保護するようになったそう。

                                                         

中国も1954年ごろ、四害としてネズミ、ハエ、スズメ、蚊の撲滅運動を展開した。ちょうどそのころ、日中友好協会の人たちと仲良くなっていたので、この事実を知り、スズメを害に入れるべきでない、絶対にしっぺ返しが来る、と訴えた。もっともそんなことに耳を貸す人はいなかった。当時だけで11億羽のスズメが殺され、北京の町からもスズメの姿が消えてしまった。その結果、害虫が増え、雑草が伸び、凶作になり、四害からスズメははずされ、新たにナンキンムシがくわえられた。

                                                         

ちょっとドッキリするのは、スズメが消えているのは日本だけではないということだ。イギリスでもロンドンからイエスズメの姿が消え、王立鳥類保護協会が賞金までつけて原因究明にのりだした。理由はいろいろ上がっているが、証拠付けられてはいないそうだ。複数の原因が相乗しているのだろう。ヨーロッパでも減っているそうだ。むかしの野鳥の会のカレンダーに「今日は鳥、明日は人間」というスローガンがかかれていた。今も載っているのだろうか。環境汚染に痛めつけられるのは、まさに明日は人間なのだ。

                                                         

◇スズメ新聞:

http://www005.upp.so-net.ne.jp/kks1377/index.htm

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