二三日前、テレビの横で卵を温めていたオバサンが夜中にコッコッと小さな声で鳴いているのに気がついた。ヒナが孵るんだな。ヒナが卵を破ろうとするとき、親が鳴いて合図を送る。励ましているのだという。殻の中から鳴く雛の声も聞こえるのだが、そのときはヒナの声は聞こえなかった。立ち上がって、オバサンのそばへ行き、オバサンをどかしてみると、卵が割れ、その中にヒナがまだ伸びた状態でぺたんと座っていた。やっぱり孵ったんだ。あわてて、オバサンを卵の上に乗せた。私の横には猫のラッキーがいる。ひよこが元気になって、顔を出して、猫にやられてもかわいそう、と網目のケースをかけた。明日、子育て中の二家族を、大きなケージに移して、小さなケージを空けてもらおう。いつもはちゃんとカレンダーに孵った日を記載して置くんだが、忘れてしまった。写真のヒナは頭でっかちだから、まだ二、三日しか経っていないとは思うけど。
トキ母ちゃんのヒナたち。カメラを向けたら逃げ惑うのでピンボケ。
一番先輩のロッソのヒナたち。もういっぱしの姿になっている。
それにしてもウチの鶏たちは全部、このオバサン、母ちゃんが育てたものだ。拾われてきたから、母ちゃんの素性は知らないが、母ちゃんの血を引いた、ロッソもトキも、教えられたわけでもないのに、母ちゃんになっている。ロッソもトキも抱卵を始めたころは、まだ生後5ケ月程度だから、有精卵ではなかったから、卵は母ちゃんの卵を抱かせた。ヒナを孵し、しかも甲斐甲斐しく母ちゃんをしている。抱卵も子育ても、教えられなくても、自然に出来ることなのだ。同じ動物の人間は、余計な情報が多いから、情けないことに自然に出来ることが出来ない。もっともペット化された犬や猫も子育てできないものがいるとはいうが。
雨のない夜は、毎晩、台所の窓にヤモリがやってくる。大中小と3匹はいる。大きいのは♀。今日、交尾しているのを目撃した。小さいのは子どもだろう。お腹の方しか見えないが、大きいのは白っぽいがちびはピンクだ。なんともかわいい。飽かず眺めている。灯りに集まって来る蛾を捕まえて食べてくれる。ヤモリは守宮と書く。字のごとく、守宮は家にとっては益爬虫類。10時まではヤモリのために電気をつけておくことにしてある。もちろんヤモリが出てこないときはその限りではないけれど。