午前中パンを焼いた。生イーストが終わったので、思い切って小田原のボンジュールまで買いに行った。お昼はサラでカレーを食べよう。
水曜日は陶芸。木曜日は眼科、と少しだが、まいにち外出している。
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ボンジュールで、買い物篭を手にして先ずは粉糖を棚から取った。とたん、左手に痛みを感じた。ハチらしい姿が見えた。これはまずい。「痛い!ハチにさされた!」と声をあげると、お店の人が数人とんできた。刺されたのは左手親指、見る見るうちに腫れ上がっていく。
「ハチですか」と店員さんたちが探す。「気をつけてください、スズメバチのようですから」と私。ハチはすぐ見つかった。店員さんたちが追い出した。チャイロスズメバチだ。このハチは毒性は強い。「消毒しましょうか」と店員さん。「消毒って何があるんですか?」「ラムで」「ハチの毒って神経毒なんですよ。医者に行きます」と言って、近くの小沢病院へ行った。「ハチにさされました。緊急に処置してください」と腫れ上がった手を見せていった。窓口の係りは、「初診ですか。保険証お持ちですか」と言って問診表を出した。保険証を出し、問診表を書き、受付をしてもらうと、内科の窓口で待て、という。「内科はどこですか」「左手の奥です」言われた通り、左手に進むと、大勢の患者さんが待っている。窓口に引き返し、「どのくらい待ちますか」と聞くと、「分からない」という。「なら待っている間に真鶴に帰れるから、帰ります。キャンセルして置いてください」と言って外に出た。
ハチなどの毒はショック症状を引き起こす。それを知っているから急いで病院に駆けつけたのだ。幸い私はショックに強いようだからよかったが、待っている間にショックで事故が起こりかねない、こんな扱いでいいのだろうかと窓口の対応に不信感を抱いた。
オクツ薬局の前を通った。車を止めてもらい、薬局に飛び込んで、ハチに刺された、毒性の強いチャイロスズメバチに、と説明して、真鶴に帰るまでの手当てを頼んだ。フルコートFをぬって、冷シップをはってくれた。「(ハチに刺されたのは)初めてですか」「はい、初めてです」「二度目の方が怖いんです」「はい、承知しています」
ずきずきと痛む。真鶴までの時間が長く感じられた。そのまま朝倉医院に行った。あわてていたのか、入り口でつまずいて転んだ。左足にあざが出来た。転んだのに驚いて奥さんと先生が出て見えられた。
「ハチに刺されました」「アシナガですか」「いいえ、チャイロスズメバチです」「刺されてどのくらい経ちますか」「30分ぐらいです」「ならショック症状はもう大丈夫」
経過を話すと、手当ては薬局のでよかった。奥さんが冷たいお絞りを出してくれた。暑かったからか、冷や汗だったのか、冷たいお絞りにほっとして汗をぬぐった。塗り薬はそのままでOK。痛み止めを出してくれた。先生もまさか店内でハチに刺されたとは思っていなかった。私だって、家ならともかく、店内でハチに刺されるとは思ってもいなかった。「砂糖を手にして刺された」というと、「ハチは砂糖に来ていたのか」と言われたが、スズメバチの仲間は肉食。でも樹液にカブトムシたちといっしょにたかっている。砂糖が目当てだったんだろうか???
家に帰り、痛み止めを飲んで、うつらうつらしていた。とんだ災難だった。
スズメバチの毒: