目薬がなくなったので、眼科へ行った。眼圧が高いといって、いつもより綿密に調べてくれた。目薬はきちんと朝晩入れている。右目のボケはもう治らないだろう。
帰ってきてPCで「FOOD INC」と言う映画を見た。2008年制作。アメリカの食料事情をレポートしたものだ。食料が工業化されてる現状を、畜産、農業、種、と知っている企業名ばかり出てくる、そう、多国籍企業だ、安全性などあってなきがごとき現状を個別に取り上げている。ファストフードに踊らされている人々、低所得者は野菜を買うよりバーガーを買った方が満腹感を覚える、と訴える。なぜバーガーが安いのか。安い裏には戦慄を覚えるような現実がある。その実態は、一握りの資本に牛耳られたアメリカの農畜産の現状がある。鶏は50日足らずで3kgになるように改良されているが、(これは遠藤秀紀著「愛を独り占めした鳥」光文社にもよく描かれている)若鳥は自分の重みで歩けない。死ぬ鶏も多い。それを拾って埋めている。これは生きものじゃない。バーガーでOー157に感染して死んだ子どもの親たちが訴えるケヴィンズ法もようやく通過したが、反対する業界の巻き返しは強い。草食動物が経済動物とされ、トウモロコシを食べさせれらるために0ー157が増殖し、その菌が肉に付着し食中毒を起こす。その現状も写真が見せてくれる。種苗業者の独占化。知ってはいたがすさまじい。
肥満は個人の責任とは言うが、個人では抗えない資本の仕組みがある。食べものが工業化され、ベルトコンベアーに乗って流れてくるとすれば、食べる方もベルトコンベアーから離れられない一体化した状況にある。糖尿病は、3人に1人、低所得者は2人に1人、とそれによってもたらされるアメリカの悲劇。私にはほとんどは知っていることだが、それでも映像だから、見ていて気持ちが悪くなった。恐ろしささえ感じる。 アメリカはおしまいだなと言う感はぬぐえない。日本だってたいして変わらないが、もちょっとはましかなとも思っている。しかし消費者運動の低下で実情はどうなんだろう。低所得者層は同じかもしれない。世界もこの巨大な資本の論理に巻き込まれている。
もちろん、圧力にも屈せず、オーガニック農業をする人たちもいる。草で牛や豚を育てている農家もある。資本の力を倒すのは、買う側の意識が変わることだ。安ければいいでなく、いいものを選べば必然的にジャンクフードは消えていくのだが、馴らされた家畜どうような人間はなかなかそうしない。ここにジレンマがある。
ラストにBGMとして、歌、あれはカントリーに入るのかな、ゆっくりした調子で歌っている、が流れている。どこかで聞いた曲だ、一緒になって歌ってみた。そうだ、これは「This land is your land, this land is my land.」だ。私には痛烈な皮肉に聞こえるが、創った人たちには母国への悲しみを込めた歌なのだろう。
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