ビンごみを出しに行くと、ぽつりぽつり。雨ですねぇ。速足で帰ってくる。石段の落ち葉を掃こうと思っていたのに。
なんだっけ?こういう問いかけは多い。昨日の朝は、口をついて出てきたメロディ、なんだっけ。こういうの思い出せないと気持ちが悪い。先日は、布団の中で聞き覚えのあるメロディを聞いて、なんだっけ。さかんに口ずさんでいる。よく知っているメロディ。舞踏会で、ダンスしている様子が思い浮かぶ。優雅に踊っているさま、くるくる回っているさま、映像が浮かぶ。もうちょっとだな。果たして、洗濯をしながら、思い出した。ウェーバーだ。「舞踏への勧誘」だ。最近はとんと聞くことはないが、ポピュラーな曲だ。
そういう経緯があるから、この口ずさんでいるメロディも思い出すだろうと、さかんに歌っている。「ここで変調するんだ」なんてpapasanに「なんだっけ?」と聞くが「さぁ」「メロディは知っているでしょ?」「うん」古典派ではないし、ロマン派かな、いや???
2,3時間後、はっと思い出した。どうして思い出したのかそのきっかけはわからないが、思い出したことは思い出した。「禁じられた遊びのテーマ、ロマンサ」だ。ネットを開け、演奏をかけた。確かに。でもイエペスの演奏がいい、と探してかけた。そうそう、これ。ナルシソ イエペス、スペインのギタリスト。アンドレス セゴビアのレコードと一緒にイエペスも何枚も持っていた。みんな処分してしまったけれども。あれ?ロドリゴのアランフェスも彼の演奏じゃなかったっけ??
ロマンサ、よく知っているわけだ。毎日弾いていたんだから。結婚してこの家に来てからも、愛用のギターで、毎日弾いていた。うふふ、なんで忘れちゃったんだろう。確かにご無沙汰とはいえ。
沼津のヤマハ楽器で、ギター教室をやっていた。30分の個人レッスン。毎週日曜に、それを受けていた。お稽古始めに「禁じられた遊びが弾きたい」と先生に言うと、「すぐ弾けるようになりますよ」と言われ、やる気を出して通っていた。でも、レッスンは、ちゃんとカルカッシ教則本から始まった。子供のころピアノをやっていたので楽譜は読める。弦をはじくという作業は初めてだったので、手元に安物のギターがあったので、朝から晩まで時間を見つけては弾いていた。おかげで上達は早かった。1年ほどして、安物のギターは手づくりのギターに代わり、ずっと愛用することとなった。そのギターは娘にわたり、今は使用していないので、練習している誰かにあげるか、楽器屋さんに売ってくれ、と頼んである。
初めて、お風呂に吸盤付きの椅子を使った。介護用品のひとつ。バスタブのヘリには捕まるものは取り付けてあるが、バスタブの深さを緩和するために椅子を中に入れたのである。吸盤付きだから、のっても動かない。入るのも出るのも楽そうだが、置く場所は、もう一工夫あってもいいかも。椅子に座ると湯船から肩が出てしまい、冬場は温まらないのではないかと思うからだ。何事もはじめは試行錯誤。私も使ってみたが楽ちん。吸盤は横のばねを開けると、すっと外れる。だんだん、こんな介護用品が増えるんだな。未だ介護用品だけで済んでいるうちはましなのかも、とふっと思う。