秋の高尾、二年ぶり。この秋一番の冷える日。
行きの甲州街道でイチョウの紅葉が見事。
都内とは枝ぶりも色も全然違う
ケヤキ、カエデもいっぱい。
街路樹のきれいな道路は古い道が多くて、
戦後に作られた郊外の道路は
見るものなし。
リフトの下で、見知らぬおばちゃん
「ここが一番きれい!」
愉快にリフトに乗ってると、別のおばちゃん
「ここが一番きれい!」
おばちゃんのキメ台詞なのか?
私やCのボキャブラリーにはない言葉。
平日とは思えないほどまぁ人が多かったけど、
はずれを探して落ち葉を踏む。
紅葉はちょうど見ごろで、いいタイミングだった。
人が多くて自然がなりをひそめてたけど、
天狗に会ったくらいから足取りが軽くなって、
ぴょんぴょん歩いて頂上の広場に着いた。
動いてると、寒さもなんてことない。
頂上も人が多くて、
はずれスペースもちょっとしかなかったけど、
そこでタヌキを見つけた。
気づいてたのは私だけ。
広場の外の草むらの手前にいて、
「なん」と小さく声をかけたらすぐにこっちを見た。
タヌキは草むらに逃げていき見失ったかと思ったら
人のいないところで振りかえって
私の方をじっと見ていた。
丸々した胴に短いあち、
小顔で目がまん丸で、とてもかわいい。
晩秋になるといつも気配だけ感じてたタヌキちゃん、
本物にお目にかかれたのは初めて。
猫にやるみたいに「イッ」って目を細めたけど、
タヌキはまん丸の目でじっと見るばかり。
長いこと見つめ合っていた。
ここから先は、あたちのテリトリーよ。
来る?
って誘ってる感じがした。
ビーたまに似てるし、目つきはモンチにも似てる。
ベンチに座ってたCを呼ぶと、
タヌキちゃんは草むらの中へ逃げた。
キャーキャー鳴くメジロに似たハトくらいの大きさのトリも見つけた。
日も沈んでヒト気もなくなって、
やっとくつろげる、とのんびりしてたら
本当に暗くなってしまい、
天狗のところまでは街灯もない道を
足元をたしかめたしかめ歩く。
お月さま、ニカッと笑っていた。
海に行くと抜け感がすごいけど、
山は充填される感じがすごい。
土に還る一歩手前の葉っぱの
葉っぱでもあり、土でもある濃い匂い。
それに、木の匂い。
身体がとても軽かった。
木の上へ上へと伸びる力に乗っかってる感じ。
空が近くなった感じ。
なんとか終電に間に合ったゴンドラで、
向き合った席に来たおっさんが
リュックしょったまま座るから顔が近い!
加齢臭!
夫婦なのかわからんが、間近で聞く
会話のセンスがまたどうしようもなくて
(こりゃ~儲かるわ、とか、歩いた甲斐があった、とか、
私とCのボキャブラリーにない言葉の応酬)、
オチがついた。旅につきもの。
海に行ってもオチがつかないのは、
日常だからかな。
この日も食べるの忘れて遊んでて、
家に帰ってからすき焼き。超うま。
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