すっかり元気になったモンチは
日に当たって転げまわったり、
チョロQの如く家じゅう走りまわったり、
背の高い本棚の上にジャンプしたり、
誰もいないキッチンの流しに上がってこそこそしたり、
前と全然変わらないようで、
気持ち、大人になった感じがする。
大人といってもモンチなりの大人だけど。
私に対しては、さらに上から来る。
家に女王が二人。
こげ茶の女王と金の女王。
わたしはアリス。
女王はどっちもわがままでかわいくて
ちょっとワル。
もともとモンチは幾つになっても子猫のまんまだよねー!
という猫だった。性別も超越した神だった。
でもここに来て、女王になった。
なんか、あの下痢は、脱皮だったような気がする。
男の子は上から人を見たりしない。
殿ちんだけは私をただのママと思ってる、
毎晩お腹フミフミされながらそう思う。
モンチもついに女の子になったわけ。9歳にして。
これも私が崇めすぎたからかもしれない。
それにしても、こんなにちっさい体で、
よくぞこんなに、っていう上から目線。
今日はCの家のNの調子が悪くて
海に行けなくなって家にいたので、
私は油断をして、3匹とも外に出た。
モンチも散歩に出たのは久しぶり。
隣りの庭でビーとモンチが睨み合い、
ビーがモンチを「フワーウ」と脅し、
モンチは背を低くして応戦しようとしていた。
台風で落ちたコブシの葉を拾ったり
クレマのつるを切ったり
バラに肥料やったりしてる間
ずっとビーのうなり声が聞こえていた。もう。
わざわざ外で喧嘩しなくてもいいのに。
殿は反対の庭に出たのでどこ吹く風。
私が庭仕事を終えて部屋に戻ると、
モンチ、ビー、殿の順に戻って来た。
今年もサンマを焼いたらみんな大喜び。
ビーは最後の最後まで食卓を離れないし、
モンチも殿もよく食べた。
実家のスダチをもっと持ってくれば良かった。
待ってた新刊「未明の闘争」をついにゲットして日の沈む前に
近所にできた河原を見下ろす階段に行って読書。
中洲を覆ってた葛が台風の雨ですっかり枯れた。
川面に夕陽。富士山も見えた。
本はめちゃめちゃ面白い。