なぎのあとさき

日記です。

メルシ、ジュリアン!

2013年08月28日 | お散歩

泳いだ後で山へ向かう途中、
鳥居をくぐる前に、
Cのサンダルの緒が切れた。
去年、私があげたビーサン。
Cは半分裸足でゆっくり歩いて
(妖怪じみていた、美しい方の)
なんとか三の鳥居をくぐった。

夏の気ったらすごくて、そこでこと足りた。
ホーシがついに全盛。蜩、クマゼミ、ミンミン。
戻る道みち、日が暮れて、
白鳥や鷲が見えて来た。
薄い雲がまだあるので、西空は曇ってたけど。

駐車場に戻ってエンジンをかけたら、
ジュリアン(仮)は動かなかった。
10年で20万キロ、といっても
免許もない私にはよく分かんないけど、
限界を越えて頑張ってたジュリアン。
この夏の暑さで、そろそろ、と
言われていたところ。

Cのクルマだけど、
私も長い時間、助手席で過ごした。
砂だらけにして。
ジュリアンには、
クラバウターマンがいたかもしれない。

お寺の駐車場で、保険屋さんを待った。
ジュリアンが最後にくれた、
ぽっかりとした時間は、
涼しい風が吹いていて、
夏の星座が光っていた。
時間なんて気にせず、
遊び狂ってた頃を思い出した。
ちょうど10年くらい前。

今は夜、モンチのお薬があるので、
早め早めに帰っていた。
(実際は、そこまで厳密に、
決まった時間を守らなくても良かったらしい)
その日はダーと連絡がついて、
お薬の心配もなくなった。
ぽっかりとした時間はとても贅沢で
なんだか、気持ちのほくれる夜だった。

次の日、ジュリアンは仕事を終えたそう。
merci beaucoup!

少し前、Cの昔住んでた界隈を
たまたま一周した日があった。
それも、ジュリアンが連れて行ったのかな。

Cは手続きに追われてて、
そんなことは考えなかったそう。
後になってその話しをして、
忘れないでいられる、
と言っていた。

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真夏の終わりらへん

2013年08月22日 | 日々のこと

今年は蜩が絶好調で、
七月の初めから今までずーっと鳴いてる。
ひとりひとり音階もテンポも違うので、
輪唱になるとすごい。美しい。
今はミンミン、ツクツクも出そろった蝉時雨。
アブラの声が響いてると、
どこまでが自分の体か分からなくなる。

三の鳥居を入ったところの気が濃くて、
それ以上進めない。
虫に追い払われる。

同じ岩の上にいつもいるカモメ。
美人で、気持ちのいい場所でゆっくりくつろいで、
ときどき毛づくろいをしてるので、
女の子だナ、と思った。

先週末、急に星が見えだした。
ペルセウスの日は河原に行っても
ろくに見えなかったのに。
夕暮れの西の空に金星。ビッカビカ。
月も明るくなって、仲秋の予感。
でも今や、仲秋の名月も晩夏の一環。
虫の声も晩夏の一環。

白鳥、鷲、蠍がはっきりしてきた。

葛が元気。
まだ富士山は見えない。
晩夏というにはまだ早い、真夏の終盤。

お盆過ぎたら急に、海から人が減った。
みんなマジメか。

夕暮れ時、泣きながら
「海に行くー」と水に入っていく子供。
「動いちゃダメ!」と、浮き輪に乗って偉そうなお姉ちゃん。

ビーサンが流されてるのに気づかない、夏のオレ。
「流されてるよー」と離れたところから身振りで知らせても、
(あのおネエちゃん達も、オレのこと見てるし!)と全然気づかない。
面白いから水槽で飼いたい、夏のオレ。
時々日に当てとけばいい。

50年来その海に来てる、という70がらみの兄弟と話してたら、
考えてることが私たちとだいぶカブっていた。
クラゲのかわし方、海に入ると体の調子が全然違う、
夏の由比ヶ浜、逗子うざい、など。

夕暮れ時に一人で泳ぐマダムとも顔見知りに。

今年は去年よりぐっと、葉山の海とお近づきになれた。

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好きすぎて切ないくらいの8月

2013年08月18日 | 日々のこと

好きすぎて切ないくらいの8月が来て、
しかももう半分過ぎてしまったなんて。

今年は猛暑のフレコミがすごかった割に、
暑さそうでもなかったな。
夕方雨が降って涼しい風の吹く日が多かったし、
日中も前に進めないほどの暑さの日はなくて
正午前後に外を歩いていてもだいたい
「気持ちいい~」程度の暑さで、
日傘も全然使わなかった。

なんて思い返したり、
きのう多摩川の花火も済んでしまって
ますます切なく、寂しくなるけど、
今年も夏には十月、いや年末まで粘ってほしい。

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海には3時過ぎに行って、
のべ3時間くらい泳ぎっぱなしで、
しまいには手の感覚がなくなるまで
冷え切って上がる。

この夏は、
サーファーが「波が無い」と嘆いてるらしく、
いつ行っても凪で、岩周りは潮が澄んでいて
私たちにはありがたい。

お魚たちとは少しずつ、
仲良くなってる感じがする。
六月に私たちを海に引きいれた群に
水中で出くわして、その子たちはボラだった。
人を怖がらず、目の前をかすめていく。

初めてソラスズメダイにも会った。
なんてきれいなブルーなの。
ほかにもオレンジちび魚の大群、
ひらひらぴらぴら泳ぐかわいいエンゼルフィッシュ、
カワハギ、シマダイ、カサゴに
名前の分からない数々の魚たち。
それに、大きくて目元に傷のある、
ヌシのようなチヌ。
私とCは魚に夢中になってすぐはぐれるけど、
だいたい同じ魚に会っている。

岩の上で会ったおっちゃんは、
隣りの海岸でヒョウモンダコに出くわしたそうで、
「たまにはテレビも見とくもんだねえ」と言ってた。
「じゃあ、ナントカさん、いったん岸に戻りますね、
煙草吸いに」と、おっちゃん。

先週は、初めてイカの群に会った。
青い水の中で、オレンジ、紫、黄色とか、
何色ともいえない模様の入った透き通った体が美しい。
それに、動きが揃ってるのも美しくて、不思議。
イカは大きい目で、こっちを見つめてきて、
その後私の泳ぐペースに合わせて岩の周りを一周しながら、
群から分岐したり、合流したりした。
ゴーグルが曇っていったん水から顔を出して
ゴーグルを拭いてまた戻ると待っていてくれた。

イカの群を最初に見つけたのはCで、
イカの方は私とCの区別がついてないんじゃないだろうか。

夕暮れ時、太陽が真っ赤になる頃、
浜辺からしつこく白く光る水面を見てたら
群が来てるのが分かったので、
水に入ってそーっと近づいたら銀色の小魚の大群に囲まれた。
それもまた絶景だった。
味をしめた私とCは、
「夕まづめの群狙おう」と、会話が漁師に。

自然界の動物の、動きが揃うのは、
なんとも不思議で美しい。
猫もたまにみんなで同じポーズをしてることがあって、
美しい。
小津の映画もそう。

それにひきかえ陸では、
日に焼けた「夏のオレ」が、
オレしか見えてない姿があほらしい。

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■ 映画

「風立ちぬ」

やりきった感!駿の生き様見せて頂いた。
あの人、セテブムリーニ?
おすぎじゃないけど、あんな女、いるかしら?

「リアル」

堀部の「おめでとう!」がうちの流行語に。
前半のホラー演出が面白くて、
特にフィロソフィカルゾンビさいこう。

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