現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

1/15 虚無僧 70日目 警察官とタクシー運転手

2011-01-15 21:33:22 | 虚無僧日記
1/15 「今夜から雪になる」との予報だが、昼間は
陽も差し、名古屋駅は若者でいっぱい。今日、明日は
センター試験だ。

旅行バッグを持った初老の夫婦が、地図を手にしながら
道を聞いてきた。『名古屋おもてなし隊』の一員と
思われたか。

続いて、黒いオーバーコートを着た男性。近寄ってきて
「何をしてるのか」と。「虚無僧をご存知ありませんか?」。
「よく見かけるが、そうゆう組織があるのか」と聞いてくる。
托鉢僧と一緒にされたようだ。質問の仕方が、単なる興味
ではないようなので、言葉を選んで受け答えしていると、
どうやら東京から来た警察関係の人だった。無論、布施は
無し。

夜8時を過ぎると、急に風が出てきて どんどん冷える。
手足の感覚が無くなる。意識も遠のく。すると、幻覚か、
「おーい、おーい」と 後ろから声がする。振り向くと、
タクシーの運転手さんが、窓ガラスを開けて、千円札を
振っている。「寒いだろう、布施してやるから」と。
タクシー業界も厳しかろうに、慈悲の心に涙が出る。
「交通安全」と「商売繁盛」を祈念して、思いっきり
尺八を吹く。

9時過ぎて、ようやく雪がちらつき始めた。明日は早く
起きねば。


「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

クリックお願いします。日記@BlogRanking 



1/14 虚無僧 69日目 酔客は上客

2011-01-15 16:56:00 | 虚無僧日記
1/14「花金」。人通りは昨日の倍。

品の良いご婦人が近づいて来られ、「ありがとうございます」と
手を合わせて、喜捨してくださった。五木寛之『親鸞』にあるごとく、
「喜捨させていただくことが ありがたい」という。その心に恐縮。
思わず、私も「ご報謝ありがとうございます」と言ってしまった。

それから2時間、反応無し。夜11時を過ぎて ますます 人が多く
なる。ようやく「頑張って」と年配の男性が 一人、二人。

酒に酔ってるのか「めっちゃ冷たそうな手」と、私の手をもんで
くれる若者。ご親切にありがとう。

酔って賑やかな一団。中の女性が私を見て大笑いしながら 財布を
出すと、仲間の男性も次々に。「私にも吹かせてぇ」と尺八を
取り上げられる。尺八の管尻をふさがれたり。天蓋を引っ張られたり。
世が世なら、打ち首ものだが、こんな時間に こんな所に立っている
のだから しょうがないと、自分に言い聞かせて、為されるままに。
そして、喜捨もたくさんいただいた。

すべては自己責任。原因は自分と悟る。


「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

クリックお願いします。日記@BlogRanking 


「ホームレス川柳」にコメント

2011-01-15 14:55:41 | 虚無僧日記
当ブログ 1/14 「ホームレス川柳」に、「宴の桜」様から
コメントをいただいたので、掲載させていただきます。


「・散る花に 寝床取られる 春の宵

下から五番目の川柳だけ、かけ離れて美しく感じます。
これって川柳というより俳句で通らないでしょうか?
俳句、朝顔に…に倣った川柳なのでしょうか?でも
あまりに綺麗で何度も拝読しました。一路先生は
ホームレスになっても見苦しくはなられないような
気がします」。

「宴の桜」様。いつも見ていただいてありがとうござい
ます。私もこの句だけ違う!と感じていました。桜の
花びらが散り積もって、寝るのもためらったとは、
なんと風流。

私も、尺八が吹けなくなってホームレスになったら、
「廃人」ではなく、山東火のような「俳人」になろうと
思うのですが・・・。今から勉強しよう。


そう「見苦しくない」で 気づかされたことが。

『七十一番職人歌合』(1500年頃の作) に描かれている
「暮露(ぼろ)」は、白の紙子に黒の袴で、身なりもすっきり。
歌も詠みます。前々から「ボロを着ているからボロ」という
説に疑問を抱いていました。そしてネットで検索していたら、
なんと「暮露は 大きな傘を持っていて、傘の柄を叩きながら
『一字金輪の呪(じゅ)=のうまくさんまんだ ぼたなん
ボロン」と唱えていた」という記述がありました。

つまり「ぼたなんボロン」を繰り返し唱えるので『ぼろ、
ぼろぼろ、ボロン字』と呼ばれたのだ」と気づきました。
ありがとうございます。

「ボロは着てても 心は錦」。いや「人間は見た目です」とは
「綾小路きみまろ」の言。私も「きみまろ」に賛成です。


「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

クリックお願いします。日記@BlogRanking 



「親鸞」展

2011-01-15 11:11:50 | 虚無僧日記
高島屋で『親鸞』展が開催されていたので、今朝 
行ってきた。すごい人。さすが名古屋は一向宗の
国である。

「愚禿( ぐとく) 釈( しゃく)親鸞」の解説もあった。
「剃髪でもなく、髷(まげ)でもなく、ザンバラ頭の
非僧」とあった。

なるほど、それで浄土真宗の僧侶は剃髪していない
人が多いのかと納得。不精して剃らないのではなく、
僧籍を剥奪された親鸞が「藤井元彦」の俗名を強制
された時の姿なのだ。

虚無僧も、剃髪せず、髪を肩までで揃えた「総髪
(オールバック)」なのだが、いかんせん、私の頭の
てっぺんが禿(はげ)てきた。全部つるつるでもなく、
髷を結うでもなし。私も今「半僧半俗の禿釈一路」で
ある。「禿(とく)」と読んでほしいが、みな「禿(はげ)
一路」と読むだろうのぉ。



「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

クリックお願いします。日記@BlogRanking 


禿に「ハゲ、カムロ、トク」と三つの意味 

2011-01-15 08:13:33 | 五木寛之
「禿」は、「ハゲ」だが、「かむろ」と読むと、前髪を
垂らし、後ろ髪は肩で切りそろえたた童子、童女の
ヘアー スタイルだから、毛の無いのと有るのと、全く
相反する漢字となる。遊郭で、花魁(おいらん)に仕える
童女。花魁のタマゴも「かむろ」と言った。日舞でも
「禿(かむろ)」がある。

平清盛は、14歳、15歳の童300人を選んで、赤い直垂
(ひたたれ) を着せ、市中を徘徊させ、平家の悪口を
云う者があれば 捕らえさせた。その童子たちも、髪を
「かむろ」にしていたことから「禿」と呼ばれた。清盛は
中国の「文化大革命」の紅衛兵に似たことをしていた。

中日新聞『親鸞』(五木寛之)で、親鸞は「禿(とく)親鸞」と
名乗っている。どういう意味か?ネットで調べたらあった。

「禿人(とくにん)」とは、非行を行う僧侶のこと。食べ物
欲しさに出家した者。自己の名聞や利養を得るために
出家、剃髪した人のことをいう」と。

親鸞は流罪の身。恵信尼を妻としており、破戒僧という
自戒の意をこめて、「愚禿」と名乗っていたのだ。


「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

クリックお願いします。日記@BlogRanking 



禿 は「孫正義」???

2011-01-15 00:05:40 | 社会問題
中日新聞『親鸞』(五木寛之)に「親鸞が“禿(とく)”と
名乗っていたことで、「禿」を検索してみたら、意外な
ことが判明した。

「禿」を検索すると、「孫正義」が1番に出てくる。それが
話題にもなっている。

「孫正義」といえば、ソフトバンクの社長。長者番付で
日本人4位の資産家だ。「孫」氏は日本国籍だが、
子供の頃は貧しく、いじめにも遭い、名前でソンした。
しかし、それをバネにして、高校生の時、司馬遼太郎の
『龍馬がゆく』を読んで発奮。渡米し、自動翻訳機や
インベーダーゲーム機の売り込みで 巨額の資金を得、
事業家として成功した。日本有数の「立身出世物語」の
主人公だ。

それだけに、やっかみ やら ねたみもあるのか、「はげ
ちょびん」などと渾名され、それが、「禿」は「孫」氏の
別称となる ほどに なった。何がなんでもトップをめざす。
私は、こういう不屈の人が好きである。

ついでながら、日蓮正宗(大石寺)の「日顕」を「禿」と
渾名して悪口雑言、誹謗中傷のサイトも検索される。
この「禿」は「禿人(とくにん)」の仏教用語として使われて
いると知る。しかし、それにしても、日蓮宗内の対立は、
とても仏教徒とは思えない。醜い。

(と、他宗を批判する私も、“同じ穴のむじな”かいな?)


「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

クリックお願いします。日記@BlogRanking