日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

鏡とにらめっこ

2005-01-22 18:17:48 | アラカルト
しばらく前に「一流の顔」(幻冬舎刊)と言う本を読みました。
以前NHKで美粧師をされていた、岡野宏さんという方が書かれた本です。
テレビ放送の初期から美粧師(=メイク担当)として、長い間活躍されてきた方の「顔の見方」というものは、面白いモノですね。

「端正は顔立ち」というのは、左右対称であることが条件だそうで「一番端正な顔」というのは、お釈迦様の顔だそうです。
確かに、10年位前友人二人と一緒に奈良法隆寺に「夢殿」の開扉を見に行った時、宝物殿の中にあった高さ20cmほどの小さな木工佛のお顔が、とても素晴らしい笑顔を湛えているようで友人と一緒に手を合わせてしまったことが有りました。

「ひとの顔」というのは、左右対称ということはまずないようです。
それが「人間臭さ」ということにもなるのでしょう。
むしろ、仕事や経験と言ったことで「顔は変わる」と言うのです。
歴代の首相は、首相をしていた時よりも辞めた後のほうが、ずっと穏やかで優しい「いい顔」になるとのこと。
確かに、今の小泉さんも首相になりたての頃に比べると、人相も相当変わってきているように感じます。
それにあわせて、人気も・・・。

もちろん「自己演出」という意味での「顔」も大切なことです。
やはり、仕事にあわせた「顔」や「表情」というものは、俳優さんだけではなく、私たちも必要なことでしょう。
よく「目は口ほどにものを言い」と言いますが、実は「眉」は知性を印象づけるそうです。
確かに、女性の眉毛と言うのは、流行り廃りがありますね。
80年代前半は、アメリカの女優ブルック・シールズ風の「太い眉」が流行りました。
意思の強さを表す意味で、当時の女性のライフスタイルをよく現していました。
それが徐々に細くなり、「アーチ眉」と呼ばれるグレタ・ガルボのような、細い眉へと変化しました。
まるで「もう、肩に力を入れた生活には疲れた。男性の庇護の下、女であることを十分活用して生きたい」という意識変化のようです。
ここしばらくは、松島奈々子さんのような「自然な眉」になってきましたね。
やはり「等身大の自分」「自分らしさ」というモノを求めているからでしょうか?
これだけ女性は「化粧」という方法で、自分を演出し、時代の変化に合わせた意識変化も表現してきているのでしょう。

男性の場合・・・最近、やたらと「手入れの行き届いた(行き過ぎた?)」眉を見ます。
特に若い男性。
俳優さんだけに限らず、スポーツ選手や普通の高校生も、今は「手入れ」をしているようですね。
ところが・・・「手入れをしていると分かるような眉は、作り物と言う印象」を与えるそうです。
昨年の「栄養費問題」で、一場選手の記者会見を見たとき「この人、事の重大さを理解しているの?」と不信に思ったのは、どうやらこのあたりにありそうです。