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子供達の生死観-長崎県調査-

2005-01-25 12:19:13 | アラカルト
今日、大人にとってはとてもショッキングなデータが出ています。
昨年の「小学6年生女児殺傷事件」を受けて、長崎県が実施した「子供達の生死観」と言うデータが、発表されています。

このデータの中で「人は死んでも生き返る」という子供達の多さや、「小学生よりも中学生のほうがそのことを信じている」ということも確かにショックです。
でも、私が一番ショックに感じたことは「赤ちゃん誕生に対する喜び」についての、データでした。
年齢が上がるにつれ、「嬉しい」と感じない子供達が増えている。ということです。
「死の悲しみ等が分かるのは、生の喜びがある」からだと思います。

高校生の時、「日本人の死生観」(岩波新書刊)と言う本を読んだことがあります。
別に宗教や倫理観と言った興味からではなかったのですが・・・多分当時、大学受験を控えてイロイロ悩んでいたんだと思います(覚えている理由は、読後、受験の模試か「傾向と対策」に出ていたからです)。
ただ読んだ時、なんとなく「生きる」ということの意味がわかったような気がしました。
30年近くも前なので、おぼろげではありますが「かつて日本人は、死を前提として生きている」ということだったような憶えがあるのです。
「死が前提となると、限られた生の時間をどう使っていくのか?」ということが、大切になってきます。
「だから、人は一生懸命に幸せになろうと努力をし、他の生を大切にする」という観念が生まれてくるのだと・・・「生死観」ではなく「死生観」というのがタイトルの理由だったような・・・。
本当におぼろげ過ぎる、記憶なのですが(大汗・恥)。

今回のこのデータで指摘されているように、メディアの影響もあると思いますしテレビゲームなどの「ヴァーチャルな世界との混同」があるとは思います。
それにしても、「生死の思考が幼く、年齢が上がるにつれてその傾向が若干でも強くなる」という現実は、学力低下以前の問題として、大きな提起をしているような気がします。