日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「小股が切れ上がった・・・」-日本の美意識-

2005-01-08 18:46:24 | アラカルト
数年前に始まった「ハッピーマンデー」という政策のおかげで、「成人の日」が今度の月曜となっている。
この「ハッピーマンデー」という「三連休政策」で、経済効果があったのか(「ハッピーマンデー」というのは、「飛び石連休をなくし、三連休にすることで、行楽などの支出を増やす」という経済政策の一環で始まった)大いに疑問なのだが・・・ともかく、今度の月曜日は「成人の日」。
そして、毎年「新成人を祝う式典」での騒ぎが話題になります。
暫く前の意識調査では、「高校を卒業すると、若くない」ということのようなのですが、実行動はまだまだお子様のようですね。

「成人式」と言うと、振袖姿がきれいなお嬢さんたちの姿が、やはり目を引きます。
やはり、民族衣装はその国の人が着るのが、一番きれいで映えますね。
でも残念なことに、最近では着物姿の美しいお嬢さんが減ってきたような気がします。
「きもの」が、日常生活の中に無いということもありますが、それだけではなく「着飾りすぎている」ような気がするのです。

きものを衣桁に掛けたとき、その大胆な意匠デザインや色使いに驚くことがあります。
晴れ着であればあるほど、より大胆になっていきます。
その大胆なきものをきれいに見せているのは、余分なものを極力排除した「引き算の美」があるからだと思います。
キリリと結い上げた髪、きれいに整えられた襟足、程よく抜かれた後ろ襟から見える手入れのいき届いたうなじ・・・本当に美しいですよね。
どこか、緊張感があって、粋で儚げ。
アクセサリーなど必要ないほどです。
お化粧にしても、多色を使うよりもポイントとなる目じりに紅色を差すほうが、華やかできれいに見えます。
歌舞伎役者の女形のイメージです。
きものの柄が、大胆であればあるほど着る人の化粧や髪飾りは、シンプルにポイントをしっかり押さえるほうがきれいに見える、というのも「引き算の美」だからでしょう。

とはいうモノの、やはり最後は着ている人本人にかかってきます。
「小股の切れ上がったおんな」と言うのは、「カッコ良い女性」の代名詞です。
まぁ、「小股」が体のどこなのかは諸説イロイロあるようですが、いずれにしても「カッコ良い女性」を指していることには、代わりありません。
スッと伸びた背筋に、キュっと締まった小さなお尻・・・細部に至るまで程よい緊張感と気遣いのある「立居振舞」。
こういうことが、自然と当たり前にできるような女性を「小股の切れ上がったおんな」と言うのだと思います。
もしかしたら、きものの意匠デザインと同じように「極力余分なものを排除し、大胆で繊細な心配りができる」そんな、女性のことなのかも知れません。

どうか、新成人の女性の皆さん「小股の切れ上がったおんな」になってください。
もちろん、男性は「男前」に!

ちなみに、きものを長時間きれいに着るコツは、襦袢などをシッカリ着付けることです。
そうすれば、きものや帯をギュウギュウに締め付けなくても、余り着崩れません。
何事も、基礎が大事と言うことでしょうか・・・。