日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

全国化する地域の伝統行事食

2005-01-31 10:48:40 | ライフスタイル
「恵方巻き」という行事食を知っていますか?
関西、特に大阪の方にとっては馴染み深い節分の食べ物だと思います。
しかし、関西以外の方にとっては、馴染み深い行事食ではなかったと思います。
私が、初めて「恵方巻き」という行事食を知ったのは、高校生の頃。
実は父の転勤で、いきなり鳥取に転校したからでした。
鳥取は一応関西エリアの食文化の影響も受けていましたが、この「恵方巻き」については、テレビのニュースで、紹介され始めて知った次第です。
ところが、最近ではこの「恵方巻き」が、全国的な行事食となりつつあるようです。

ミツカンが実施した「一年の幸運を願って巻きすしをがぶり!全国に広がる 節分の“恵方巻き”」によると、九州や北海道といった地域でも、「恵方巻き」を知っている人たちが増えています。
年齢的な内容はわかりませんが、おそらく若年層の認知度が上がっているのではないでしょうか?
というのも、コンビニエンスストアーなどの入り口に「のぼり」がいくつも有るからです。
それだけではなく、ここ数年スーパーのチラシなどでも見かけるようになりました。

その反面、姿を消していく伝統行事食もあるのでは?
女の子のいる家庭では、お雛様の時に色とりどりの可愛らしい「ちらし寿司」を用意されるご家庭は、多いはずです。
では、その時の汁物は?
「ハマグリの潮汁」を用意されていますか?
以前、友人達と話をしていて認知度が低かったのが、この「お雛様のハマグリの潮汁」でした。
他にも「お月見」には「サトイモ料理」ということを、知らない方もいらっしゃるようです。
それぞれ、キチンといわれのある伝統行事食なのですが・・・そのいわれも知らない方も多いようです。
私の場合、両親が田舎育ちだったことや昭和一桁生まれということもあり、食べる時にそのような話を毎年聞かされましたが、そのような家庭も減っているのではないでしょうか?

どうやら、商業ベースに乗りやすい「地域の伝統行事食」は、全国化していき、全国的に知られていた伝統行事食でも、商業ベースに乗りにくいと消え去る可能性が高いようです。
商業ベースに乗っていくにしても、そのいわれや意味も一緒に知って欲しいと思います。
それが「食べる楽しさ」を増やしていくことにも、なるはずですから。

今年の恵方は「西南西」との事。
「恵方巻き」を作って?それとも買って、「ガブッと丸かじり」しますか?