日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

創造性と評価

2005-01-05 13:08:17 | トレンド
以前「知的財産」について、ブログを書きました。
その時「VOGUE Nippon」のメールの内容については、「いずれ・・・」ということで伏せていました。
その内容について、昨日の毎日新聞の「暮らし・ファッション」面に「知的財産」と言う内容で、記事が掲載されています。

海外では、高い評価を受けていた日本のファッション産業に政府が本腰を入れる。ということなのですが、政府が本腰を入れるようなものなのか、やや疑問なところがないわけではありません。
と言うのも、日本で評価されているモノと海外で評価されるモノが一致しにくい、と言う現実があるからです。

一昨年の春、ルイ・ヴィトンの新作バックのプリントデザインをしたのは、村上隆氏でした。
POPで可愛らしい色使い、「桜」をモチーフにした楽しいデザインは、日本でも人気になりました。
この起用によって、村上隆氏の日本における一般的な評価はUPしましたが、最初に注目したのは、ニューヨークのアートシーンでした。
ルイ・ヴィトンのバッグのプリントデザインに起用されたのも、ヴィトンの現在のデザイナー、マーク・ジェイコブス(ニューヨーク出身)との出会いからです。
70年代後半~80年代、パリコレでは、川久保玲、山本耀司、三宅一生などが注目され始め、日本人ブームが沸き起こりました。
でも、日本では「ハマトラ」や「ニュートラ」と呼ばれるファッション花盛りで、ファッション関係者は注目をしていましたが、一般的評価は決して高いものではありませんでした。
と言うことは、やはり海外で評価されている日本人の創造性と国内における評価は、簡単に合致しないと言うことだと思うのです。

ただ本腰を入れると言うのなら、朝日新聞・インターネット版asahi.com「ヴィトンが紙のスーツ」にあるようなコトにも、積極的になって欲しいものです。
「紙で服地を作る」という創造性もまた、海外で最初に評価を受けてしまうと言うことも残念な気はしますが、この柔軟性も日本人ならではと言うことだと思います。

こういう着眼点・発想力って素晴らしいではありませんか!
もっと、自信を持っていいのかも知れません、日本人。

※公開時間は、最初に草稿したときもものです。
 実は、二日がかりでこのブログを書きました(汗)。



多様性のある社会

2005-01-05 11:27:23 | アラカルト
昨日の毎日新聞の「理科系白書『語る』」では、MITの利根川博士のインタビュー記事が掲載されています。
これを読むと、科学の分野でも多様性のある人材育成が大切なようです。

利根川博士のインタビューで、いくつか目を引くことがあります。
ひとつは「管理者の仕事は、スタッフが楽しく仕事ができる環境をつくること」という点です。
日本では「スタッフの効率と収益性を如何にUPさせ、管理するのが管理者の仕事」とされているところが、ほとんどではないでしょうか?
少なくとも「楽しく仕事ができる環境をつくる」という考えは、ないように思います。

もうひとつは、「チャレンジ」ということです。
時折、大学生位の人たちに話を聞くと「可もなく不可もなく」と感じがします。
日本の企業が「減点指向」だからでしょうか?
だからといって、チャレンジしなくては新しいモノは生まれてきません。
そういった意味では、示唆に富んだ言葉だと思います。

最後に、日本の官僚についてコメントをされています。
確かに、現実だとは思いますが・・・マーケティングと言う仕事では、文系だの理系だのといっているようでは、市場を見誤ってしまいます。
とにかく柔軟な思考と発想が必要ですから。
もしかしたら、今マーケティング発想が一番必要な人たちは、官僚といわれる人たちかも知れません。
そうしたら、もっと柔軟な「教育制度」と言うことも可能かも・・・???