日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ブランドは、お好き?-ボーナスシーズンを考える-

2005-06-26 19:00:06 | ライフスタイル
あけさとさん、連日のコメントありがとうございました。
テーマとなる「子育て」は、この稚拙なブログの中では収まりきらない問題ですね。
忘れたくないことは「寛容性」だと思います。
他者と自分との関係を、豊かにしていくことは「認め合う」ということからだと考えています。

朝日新聞の土曜版「be」に、「フロントランナー」という連載インタビューがある。
様々な分野の人たちのインタビューを読むことができ、週末の楽しみの一つとしている。
今回はシャネル日本法人社長 リシャール・コラスさんだった。

「シャネル」といえば、高級ブランドの代名詞となっているファッションブランド。
ご存知のとおり、ココ・シャネルが作ったブランドである。
しかし、ココ・シャネルが洋服のデザインを始めたのは「働く女性たちのための服」を作ることだった。
だからあえて、メンズ素材のツィードや下着として使われていたニット素材を使って、「着易い・動きやすい・エレガント」というスタイルを打ち出すようになったと言われている。
牛革をキルティングしたショルダーバックも、女性が身の回りのものを持ち歩くとき、軽く両手が使えるようにと考えられたデザイン。
決して、セレブな人たちがパーティーへお出かけするために作られた、ブランドではない。

しかし・・・今や、シャネルと言うブランドの商品を持つことのできる女性は、「一女子平社員」ではなく経済的にも時間的にも余裕のある「働かないマダム」である。
ところが、ここ日本では「一女子平社員」が、ボーナスシーズンになると「自分のご褒美」として、バックなどの小物を購入している。
実際、全世界での高級ファッションブランドの売上のうち6割以上は、日本だと言われている。
だからこそ、日本の市場は見逃せない。
東京の銀座や表参道、名古屋の栄といった大都市の目抜き通りに店舗を構えるのも当然なことなのだ。

では、何故ブランド品を購入するのだろう?
ブランドに対する信頼感、安心感だけだろうか?
ボーナスで購入するブランド品には「自分へのご褒美」という感覚を持っているのは、日本人特有の感覚なのだろうか?
むしろ「ブランド品を持つことで、その仲間入りをする」という感覚があるような気がしている。
と言うのも、いわゆる高級ファッションブランドの売上の殆どは、バックなどの小物で占められているのである。
本流の洋服ということになると、おそらくその他の国のほうが売上が多いのではないだろうか?

上を目指して頑張っている・頑張ってきた自分を、外見的に表現することができるのが、海外の高級ファッションブランドだという「ガンバリズムのご褒美」なのかも知れない。

ところで、このインタビューに掲載されているリシャール・コラスさんの休日の服装・・・これって「作務衣」なのでは?
ファッショントレンドは、「ジャパネスク」?