日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

知的財産をめぐる日本と中国

2005-06-14 11:22:09 | ビジネス
「センスの問題」にトラックバックを下さった、娑婆に出るのshunさんありがとうございました。
今回の問題は、「問題作成者と学校が、一般社会と隔絶した存在であった」ということを、示したことだと思います。
ただ、こういう先生や学校で勉強しても「思春期の多感な時代に、人としての成長は期待できない」という気がしますね。
偏差値では計り知れない、学校の品位としての問題でしょう。

昨日のYahooトピックスに、時事通信が「日本企業の約64%が、知的財産を侵害されていると感じている」という内容を伝えている。
元となっているレポートは、第3回中国模倣被害実態アンケート調査結果(ファイル量が多いので、紹介だけにしました)。
以前にも、何度かエントリーしてきた内容ではあるが、アジアにおいては知的財産などはあってないようなモノである。
中国が「世界の工場」といわれるまでに発展している反面、このようなことが頻繁に起きている。

「日本は資源の無い国です」というのは、小学校の社会科の授業で習ったことだった。
だから「工業製品を開発・生産することで、世界に製品を提供し、エネルギー資源を買っているのです」という一文まであったと記憶している。
そして、その道を日本の製造メーカーは突き進んできた。
生産拠点を海外に移すことがあっても、技術開発などは日本国内で行い「技術立国」として、世界に提供している。
むしろ、オイルショックがあったから燃費効率の良い車の開発を手がけ、公害などの環境問題が起きるとその対応技術を開発してきたような気がする。
そういった意味では、日本は「モノづくり」の国なのだと思う。
それが、世界の市場からの信頼を得て「トヨタ」や「ソニー」、「ホンダ」といったブランドが、作られていったのである。
そのようなブランド構築のための努力もしないで、偽ブランドを堂々と市場に出し続ける中国には「儲け」の発想はあっても、「モノづくり(=生活者への提案となる市場作り)」の発想は無いような気がしている。
だからこそ、シッカリと「モノづくり」の基盤となる「知的財産を守る必要」がある。

そんな中、来月「無印良品」が上海で1号店を出店する。
他にも、スポーツ用品のミズノも中国でのビジネス展開を予定している。
既に、中国では似て非なる「無印良品」や「ナイキ」、「アディダス」が市場に堂々と売られている。
どんなビジネスとなるのだろうか?

ファッションや漫画等の「知的財産」を含め、日本は中国と戦っていかなくてはいけない。
それは、中国にとっても「近代化」に必要なことではないだろうか?

なお、ジェトロ北京センターのHPではニセモノ写真館というコンテンツで、その実態の一例を見ることができる。