日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

堀江さん、地元が違いますよ!

2005-06-19 10:23:02 | スポーツ
今日のスポーツ報知にホリエモン因縁の地でJ“参戦”J2ベガルタ仙台の支援約束という記事げ掲載されている。
今月は、サッカーの話題で世間は大盛り上がりだが、盛り上がっているのは「日本代表」くらいなモノで、Jリーグのナビスコ杯やJ2などは試合中継なども殆ど無い。
特にJ2については、地元以外で話題になっているとは思えないほど低調。
そんな中、ライブドアの堀江社長がJ2の「ベカルタ仙台」の試合を観戦に行ったようだ。
そして、「スポンサー契約を検討している」との発言も、飛び出したらしい。
とてもコアなサッカーファンであれば、「だったら、『サガン鳥栖』のスポンサーになってやれよ!」と呟いているのではないだろうか?

「ベガルタ仙台」は2002年J2からJ1に昇格をし、当時はチームカラーから「黄色い旋風」と言われるほど、熱心なサポーターがいる。
しかし、あえなく1年で降格し現在はJ2で戦いながらJ1昇格を目指している。
「サッカーがよく分からない」と言われる理由の一つが、チーム数の多さとこのJ1、J2と言うカテゴリー分けである(時々、「野球の1軍と2軍だろう」と思われる方がいるようですが、チームの実力差で二つのカテゴリーに分かれていて、メジャーリーグのA1、A2などに近いと思ってください)。
同じようにリーグを分けているスポーツは、サッカーの兄弟分であるラグビー(トップリーグと社会人リーグ)くらいなものだろう。
尚且つ、「地元密着」だとか「三位一体の協力関係」等という言葉が飛び交ってくると、野球ファンやサッカー(やラグビー)に興味の無い人は、チンプンカンプンになってしまうのだろう。
「地元密着」というのは「ホームタウン構想」という考え方で、今のJ1の殆どのチームが元々企業スポーツから始まったことから強く打ち出されている。
親会社がチームを丸抱えするのではなく、別会社とし地域社会に還元するような仕組みを持つと言うこと。
一例としてあげるならば、ユースチームや子供向けのサッカー教室を持つことが義務付けられている。
そして「三位一体の協力関係」は、「親会社と地域の自治体、そしてサポーターそれぞれが協力しあって、サッカーと言うスポーツを盛り上げていきましょう」という考え方なのである。
その優等生チームとして名前があがるのが「アルビレックス新潟」であり、以前は「鹿島アントラーズ」だったのである。

で、堀江さんが興味を示した「ベガルタ仙台」は、J2のチームの中でもサポーターも地元自治体も協力的なチームで、戦績も現在4位と言う状態。
スポンサー企業も地元企業を中心に、チームを盛り立てていると聞く。
むしろ、佐賀県の鳥栖市をホームタウンとしている「サガン鳥栖」のほうが、危機的状況なのだ。
このチームは、毎年のように「チームの存亡」が囁かれ、社長さんも何度か変わっている。
とにかく、チーム財政が緊迫しているだけでなく、地元自治体である鳥栖市そのものも余り協力的ではないと言われている。
スタジアムなどは、とても立派なモノなのだが「ハコモノ行政」の典型のような自治体なのである。
もちろん、その背景には市の税収を使ってチームを維持してきたことへの、反発と言うものもあるのだが・・・。
そのために、今年春にはJリーグから「チーム解散」の示唆までされた。
事実「サガン鳥栖」は、以前「鳥栖フューチャーズ」というチーム名で活動していたが、解散を余儀なくされ、熱心なサポーターの活動で「サガン鳥栖」というチーム名で再出発している。
それこそ、サポーターの熱意だけが頼りのチームと言っても過言ではない。
堀江さんの出身地・久留米に近いところに、そんな危機的状況のチームがあるのだから、応援スポンサーになって欲しいと思うのである。

尚、8年前W杯フランス大会初出場をかけて戦っていた「日本代表」を後押しした、サポーター・ソング「翼を下さい」は、 「鳥栖フューチャーズ」存亡の時、鳥栖のサポーターたちがチームのために歌っていたものである。