日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ユニクロが元気

2009-01-09 20:06:42 | マーケティング
この冬、百貨店を中心に小売りが苦戦している。
例年なら、初売りから2週間ほど後で行われいる「再値下げセール」を始めた百貨店も、名古屋では出てきている。
昨年の今ごろは「元気な名古屋」と、もて囃されていたのがウソのようだ。

そんな中、ユニクロが元気なようだ。
今日の産経新聞のWEBサイトにも、独り勝ち「ユニクロ」 売上高70億円増に上方修正と言う記事が掲載されている。

記事中にあるように、ユニクロが元気な理由の一つが「ヒートテック」と呼ばれる素材を使ったインナーウェアーが、好調だからだろう。
インナーウェアーといっても、女性向商品は余り下着っぽくない。
しばらく前から流行している「チラ見せ」感覚が定着してきたことや、「ババシャツもオシャレ」でなくては、なかなか買ってもらえないと言うコトもあるのだろう。
ただ、本当に「ヒートテック」だけで独り勝ち状態となるのだろうか?

初売りが終わった今週、近くの大手スーパーに入っているユニクロに行ってみた。
以前から感じていたことなのだが、ユニクロの店内と言うのは実に明るい。
特に目を引くのは、男性用衣料品のカラフルさだ。
これまで女性向と捉えられていた「ベビーピンク」や「シャーベットオレンジ」のような、明るいブライトカラーのセーターなどのニット物やカットソー(Tシャツやタートルネックシャツ)、Yシャツなど、カラーバリエーションが実に多い。
もちろん、基本となるジャケットなどはベーシックな色合いなのだが、カジュアルウェアーやニット物のような「遊び心が表現できる」物に関しては、男性物としては珍しい色展開をしている。

個人的には、このような「男性物だから」と言う概念を少し外したトコロも、元気な理由なのでは?と、考えている。
と言うのも、男性諸氏のファッションもどんどんオシャレになってきており、ダークカラーのジャケットに、明るく柔らかな色のYシャツや(「ウォームビズ」の推進で)カーデガン、セーターを上手に組み合わせるコーディネートも当たり前になってきている。
ところが、手ごろで気軽に着られるモノとなると、なかなか見つからないのが現状だ。
そこをユニクロは、カバーしている。

もうひとつは、週代わりで登場する「週末限定のお買い得品」だろう。
1,000円程度の物なら、700円前後で販売をしている。
それも、週末限定と言うコトもあり「この時にお買い得品を買おう!」と言う、購買意欲を高めているように思うのだ。
元々ユニクロは、「売り切れゴメン」的な製造をしているため、「限定期間内」売り切れによる、消費者の「買えなくて、残念」と言う気持ちを(表現が悪いのだが)煽っているトコロもある。
例えば、ヒット商品「ヒートテック」の場合、この「週末限定お買い得品」として登場したのは、発売直後の週末だった。
これで一気に販売数量を増やし、その後は「品薄状態」、現在では「完売」状態となっている(近所の実店舗の場合)。
そのために、週末のユニクロと平日のユニクロでは、客足はまったくと言ってよいほど違う。
もちろん時間帯にもよるのだが、週末は1日中客足が途絶えるコトがない。

「週末限定お買い得品」と言う企画は、百貨店でできる企画ではない。
しかし、カラーバリエーションなどについては、参考となる点があるのではないだろうか?

私などは逆に、狙いを定め「(基本的デザインはベーシックなので、次のシーズン用として)シーズンオフ直前まで売れ残り(=在庫処分価格)を買う」と言うタイプなのだが・・・(苦笑)。