日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

見事と言うか、チョッと・・・-トヨタ部長級以上の自社車購入-

2009-01-14 20:19:00 | 徒然
中日新聞他のWEBサイトに、トヨタ部長級2200人、新車自主購入 これぞ愛社精神…と言う記事が、掲載されている。

この記事を読んで「これぞ愛社精神!!」と、褒め称える方もいらっしゃるだろう。
個人的には、「チョッと、ゴメン」と言うのが本音だ。
「ゴメン」と言うか、「気持ち悪さ」を感じてしまうのだ。
あくまでも、個人的な感覚なので許していただきたいのだが、何となく「滅私奉公」的思考が企業によって刷り込まれているような気がしてしまうのだ。

以前から噂としてあるのだが、「トヨタ社員はタクシーに乗る時、(タクシー車両として使われる事が多い)『クラウン』かどうか確かめる」といわれている
もちろん、いわゆる「都市伝説」と呼ばれるたぐいなのだが、そのような「都市伝説」が成り立つのも、今回のような「忠義の愛社精神」が有名だからだろう。
図らずも都市伝説を証明するような、ニュースとなってしまっている。

かつて「モーレツ社員」と呼ばれる「社員像」が、持て囃される時代があった。
バブル絶頂の頃は「24時間働けますか?」という、新しい「モーレツ社員象」が登場した。
一昨年(だったと思う)には、リ・ニューアルをして登場した。
「企業に尽くし、企業利益を上げることが、個人の収入増に繋がる」という、思い込みがあった時代だったように思う。

しかし、今はどうなのだろう?
いとも簡単に「合理化」と言う名目で「リストラ」をし、内部留保を溜め込んでいる。
果たしてそのような現実が「企業の発展が、個人の収入増」になっているのだろうか?
確かに、トヨタ自動車の部長級クラスとなれば、町工場の経営者よりも年収が多いかもしれない。
だからと言って、そう簡単にクルマを買い換えるほどの収入を得ているとすれば、「派遣切り・期間工切り」は何なんだ!と言うコトになってしまうと思うのだ。
それでなくとも、内部留保が膨大に有るコトで、強欲株主は「増配」を求めてくる可能性も有る。
必要以上の内部留保は、企業にとって、自ら経営の首をしめかねないのではないだろうか?
それだけではなく、2200台+α(家族分購入)のクルマが、一時に売れてもそれはディーラーの在庫が減るだけで、直接的な増産にはならないのでは?

そして、このような話が「美談」になってしまう雰囲気があるとすれば、それこそ社会として問題があるような気がするのだ。
ただ、この一件で「トヨタ社員は、自民党よりも結束が強い」という証明にはなったかも知れないが・・・。