日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

有名ブランドも破綻する

2009-01-05 22:17:17 | ビジネス
朝日新聞のWEBサイトを見ていたら、「英ウェッジウッド親会社、法的管理下に 身売り先探す」と言う記事が掲載されていた。

「ウェッジウッド」を知らない人は、まず少ないだろう。
バブル以前から比較的日本では人気の高かった、イギリスの有名食器ブランドだ。
バブルで一気に人気になった(?)ロイヤルコペンハーゲンやマイセンなどに比べると、日本人にはズッと親しみのあるブランドだったのではないだろうか?

その「ウェッジウッド」の親会社が、今回のアメリカ発の金融危機で破綻に追い込まれたのだ。
昨年暮、フランスを始めとする欧州の有名ファッションブランドの経営者たちが「日本詣で」をしたと言うコトがあったが、ウェッジウッドの方が危機的状況にあったというコトか。

これまでウェッジウッド社にも、経営的に厳しい時はあっただろう。
それでも「ブランド」として生き残ってきたのは、その品質の高さやウェッジウッドのファンがいたからだろう。
ところが今回の金融危機は、そのような「実体経済」を支えている人達だけでは、乗り切れなかったと言うコトだ。
ウェッジウッドの親会社である「ウォーターフォード」そのものも、クリスタル製品の老舗企業だ。
まさに「有名ブランドすら破綻する金融危機」が、今回の金融危機だということだろう。

しかし、冷静に考えればどこかおかしな気がする。
ウェッジウッドもウォーターフォードも、そのモノ作りについて言えば品質、信頼など「ブランド」として必要な要素は総てもっている。
それらの商品のファンも、全世界にはいるはずだ。
これまで言われてきた「ブランド構築」が出来た企業が、実体を伴わない「ファンド」や「デリバティブ」などの一部の人たちが巻き起こした「マネーゲーム」で、いとも簡単に破綻してしまうのだ。

今年は、その意味で「ブランド」以外の要素が、企業を生き残らせるのかも知れない。
でもそれで、本当に良いのだろうか?
私達自身の「経済の審美眼」を必要とする時代が、やってきているのかも知れない。