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女性マーケターから見た日々の出来事

オバマさんと麻生さんの違い

2009-01-22 10:43:04 | アラカルト
オバマ新米大統領の、就任演説は実に良く考えられた内容だったように思う。
スピーチの上手さもさることながら、その内容はこれまでの歴代大統領就任演説の中でも「名演説」といわれたエッセンスを取り入れながらも、今の時代感を伝えていたように感じた。

それに比べ麻生さんの総理就任記者会見でのコトバって???、イマイチ思い出せない。
確か「官僚は使い倒せ」とか「迅速」というコトバがあったように記憶しているのだが、それが実行されているのか?となると「・・・???」なのだ。

しかし考えてみれば、オバマさんは11月末には新大統領になる予定になっていたので、それなりの時間的準備が十分だったともいえる。
それに比べ、麻生さんは自民党党大会で決まって直ぐの総理就任。
時間が無いと言えば、無い。
だからと言って、麻生さんの肩を持つ気は無い。
と言うのも、自民党党大会の前から暗黙の了解的に、「麻生で決まり」という状況になっていたからだ。
ならば、オバマさんほどではないにしろ、それなりの時間があったのでは?
自民党内も、麻生さんを総理に担ぎ上げておいて、無責任なトコロも見えてきた。
これで日本の政治が行えるはずも無い。
それが、オバマさんと麻生さんの大きな違いのような気がするのだ。

もうひとつは、小泉政権のツケの建て直し策が見えてこないという点だろう。
オバマさんは、就任演説でブッシュさんに感謝しつつ、ブッシュ路線との決別を宣言した。
オバマさんは、ブッシュさんの間違いを批判するのではなく、まったく違う方法を提案したのだ。
そのような過程があるから、アメリカ国民が「この人を大統領として選んで良かった!」という気持ち(例え一時期的な気分の高揚だとしても)が生まれるのではないだろうか?

おそらくオバマさんは、対アフガニスタン政策では、それなりの負担を日本に要求してくるだろう。
ならば、先手を打つカタチで「日本は、このような援助・支援策を考えています」というコトを、言ってしまったほうが遥かに国際政治的な意味でも効果的だと思うのだ。
それは「自衛隊を派遣する」と言う、お決まり的な内容ではなく、アフガニスタンの未来に繋がるような「工業技術」や「農業技術」なのではないだろうか?
他にも、日本が世界をリードしていると言われる「クリーン・グリーンエネルギー」などは、その技術だけではなくシステムそのものを提供するコトで、「世界基準=日本基準」となる事にも繋がるのではないだろうか?

廃業が相次ぐ町工場の親父さんたちの技術だって、このような国々の人たちにとっては喉から手が出るほど欲しい技術だろう。
ならば、戦後復興期の「フルブライト留学」のような「留学制度」を参考に「技術留学制度」をつくり、町工場の親父さんたちを講師として迎え入れるような「職業訓練校」の設立だって、復興には役立つはずだ。
そのような多角的視野にたった「日本にできるコト」を、いち早く表明できるか否かが、麻生さんが総理就任記者会見で話した「迅速」というコトに、結びつくのではないだろうか?

話す相手が代わったのだから、コチラも変わらないとね・・・麻生さん。