日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

派遣切りと農業-政策と法律の見直しが必要-

2009-01-27 11:01:41 | ビジネス
昨年暮に問題となった「派遣切り」だが、切られた元派遣社員の人たちも「何でも良いから仕事をさせてください」と言う、人ばかりではないようだ。
それが「仕事のミスマッチング」と呼ばれるモノなのだが、おそらく多くの人は「そんな悠長なコトを言っている場合か!」と言う、あきれるような怒りもあるのではないだろうか?
しかし、彼らの中には本当に人に接するのが苦手で、まともに会話が出来ない、と言う人にとっては、派遣と言う待遇は別にして、淡々と機械を向き合い黙々と言われた仕事をすることの方が、ラクで精神的にも良かったのではないだろうか?
私などは、「黙々と機械と向き合って仕事をする」と言うコトは「絶対無理!!!!」だと思っているのだが、適材適所というだろう。

「ならば・・・」と、浅はかにも農業や林業なども「仕事」として選択の一つなのでは?と、思ってしまうのである。
実際、一部の大手スーパーや居酒屋チェーンでは、契約農家から野菜を調達するのではなく、実際農業を事業化する動きもあるようだ。
農業や林業従事者が減っている要因の一つが、収入の不安定さと3K並の厳しさだろう。
天候や自然を相手にするのだから、それ相当のリスクがあるのは仕方ない。
しかし、日本の農業などは「品質向上」のための品質改良などをし、世界に類を見ないほどの農産物を作ってきている。
それが、アジア市場などでは高く評価されているのは、ご存知の方も多いはずだ。
そのような、高品質の農作物を提供できる日本の農業なのだから、人材投資をしたいと考える企業が出てきてもおかしくないだろうし、企業が参加する事で働く人たちにとって「安定的収入」となるコトも十分考えられる。
確かに9時to5時と言う就業時間ではなくなるのだが、逆に柔軟的な就業時間となる場合もあるはずだ(農業をしている親戚を見ていると、「時間的制約」がないコトでお昼ねタイムがあったり、ゆったり過ごすコトもあるように見受けられる)。

ところが、スーパーや居酒屋チェーンが農業などに積極的に参加しようと考えても、壁になっているコトがある。
それが現在の農業政策や農地法だ。
戦後の「農地解放」は、それなりの効果はあったと思うのだが、今の社会には適さないモノとなっている。
早急に、改正などが必要だと言う指摘がされていても、その動きが社会や市場変化について行けない状況にある。

今回の金融不安に端を発した、派遣切りは産業の就業構成を変えるチャンスになる可能性だけではなく、「輸出産業」の内容も変わる可能性がある。
だからこそ、素早い農業政策や農地法の改正が望まれるのではないだろうか?
小売りや外食産業、場合によっては商社なども、ビジネスチャンスと考えているように思うのだ。

本当に、「定額給付金」でウダウダ国会でやっている場合ではない!と思うのだが・・・。