日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

危機をチャンスに考えるのは、中小企業?

2009-01-15 22:46:46 | ビジネス
日経新聞のWEBサイトに、景気悪化、改革の好機に 中小、課題洗い出しに知恵と言う、記事が掲載されている。

大手企業の「派遣切り、期間雇用社員切り」ばかりが話題になる中、派遣切りも期間雇用社員も出来ない(と言うよりも、そのような社員を抱えられない)中小企業が、この不況を何とか生き残る策を積極的に模索しているようだ。
もちろん、この記事に掲載されているような中小・零細企業だけではないと思う。
ただ、「じっと待っていれば仕事がやって来る時代ではない」という、危機感的意識は中小・零細企業のほうが高いだろう。
むしろ、常にそのような危機感をもちつづけながら、下請け・孫請け企業としてやっているのかも知れない。

実際、以前テレビで見たある中小企業は、バブル崩壊によって仕事が激減したのを機に、下請け・孫請けのあり方を見直し、まったく違う分野(自動車関連→農業)に進出した企業が紹介されていた。
その企業は、いち早く輸出関連企業だけの下請け・孫請けから脱却したために、現在の経済状況の中でも比較的安定した仕事を得、従業員を解雇する事なく仕事をしているようだ。

中小・零細企業だからこそ、このような動きができるのかも知れないのだが、このような積極策は、大手企業こそ見習う点があるのではないだろうか?
神戸の長田地区にある「ケミカルシューズ」を作っている、企業のいくつかは百貨店を通じてお客様に直接販売することを模索していると言うエントリを昨年した。
直接お客様の声を聞く事で、製品作りにスピーディーに反映させる事だけではなく、下請け企業からの脱却を図る目的もあった。
大企業のように、長い時間会議をし、事前に根回し、稟議書と言う時間のかかるステップを踏む事なく、問題点を解決し、製品に反映させる事ができると言う「軽さ」が中小・零細企業の強みなのかも知れない。

「中小・零細企業だから、大企業の傘の下にいるのではなく、中傷・零細企業だから持てる力を集約し、企業の強みを強化する時間として今の経済状況を考える」と言う、発想こそが、強みなのではないだろうか?
おそらく、日本の町工場はそんな「基礎体力」となる発想力が、最大の強みなのだろう。