日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

消耗戦になりつつある?小売り

2009-01-18 08:43:00 | ビジネス
日経新聞のWEBサイトにヨーカ堂、主力30店以上を改装 安売り店・ホームセンターに と言う記事が掲載されている。

「総花的品揃えの見直し」と言うコトがあるようだが、最近のスーパーに行くと「消耗戦状態」という気がする時がある。
背景にあるのは、今回の世界規模の金融危機による「景気の悪化」なのだが、本当にそれだけなのだろうか?と、感じてしまうのだ。

実は我が家の近所には、地元生鮮食品スーパー、地元資本のスーパー、そしていわゆる大手スーパーの3つがしのぎを削る「激戦地区」だ。
普段買い物をするのは「地元生鮮食品スーパー」なのだが、単純に価格が安いからと言う理由だけで、利用しているのではない。
そのスーパーは「地産野菜」が、充実しているのだ。
そのために、大手スーパーに比べると、1~2割程度安いのである。
確かに、物珍しい野菜などはないのだが、普段食べる野菜はこのスーパーで十分間に合う。
ただし、お肉や魚となると大手スーパーや地元資本のスーパーに比べると品揃えが、がっくりと落ちてしまう。
また、大量仕入れにも限度があるため、大手スーパーよりも当然高い食品もある。
そのような場合は、大手スーパーを利用するという事になる。

衣料品では、ユニクロ独り勝ちという状態になっている。
確かにユニクロは「ユニクロ価格」とも呼べそうな、廉価商品が充実している。
しかし廉価商品が充実しているから、独り勝ち状態になっているのではないはずだ。
一昨年あたりから、冬の定番となった「ヒートテック商品」、その前の「フリース」や「エアーテック」といった、ユニクロ独自の特化した商品があるからこそ「独り勝ち」状態となるのだ。

ヨーカ堂は、安売り路線とホームセンターへの転換を進めるようだが、単純に「安売り」というだけでは、それほど生活者の支持を得られることは難しいのではないだろうか?
「安い」というなら「安い理由」が、ホームセンターであれば、「東急ハンズ」のような「DIYのプロ販売員」がいて、はじめて生活者の支持が得られるのではないだろうか?
単に安いだけでは、「消耗戦」になっていくだけだ。
資本の大きな大手スーパーの方が遥かに有利だと思えるのだが、実は地元の生鮮スーパーなどにこそ、「消耗戦に参加せずに、売上を伸ばす」というアイディアが隠されているような気がするのだ。