最近、名古屋の繁華街を歩いていると目に付く珈琲店がある。
スターバックスなどのカフェスタイルとは、タイプが違う珈琲店だ。
ここまで書いて、ピンとくる方もいらっしゃると思う。
「星乃珈琲店」という、やや重厚な造りのお店で最近人気のお店だ。
ここ10年余り、珈琲を出すお店が喫茶店からカフェへと変わってきた。
昔ながらの喫茶店そのものを、見かけることも少なくなった。
もちろん、豆を自家焙煎し、1杯ずつ丁寧にドリップする喫茶店は今でもあると思うのだが、その様な珈琲専門店のようなお店は、ひっそりと営業をしているのだろう、表だって見かけることは余りない。
それよりもほとんど見かけ無くなった感があるのが、いわゆる「喫茶店」だ。
ご存じの方も多いと思うのだが、名古屋は喫茶店が多いと言われている。
その理由の一つが「モーニング」と呼ばれる、コーヒー1杯の値段でトースト、ゆで卵、サラダなどが食べられるからだ。
しかし、その様な「喫茶店」も最近では随分見なくなったように思う。
実際、街中を歩いていると喫茶店があったと思われる場所に、違うお店や事務所になっていたりするコトが多くなった。
「おしゃれなカフェ」にお客様が流れてしまったのだろう、と思っている。
そんな中で登場した「星乃珈琲店」。
一昔前の喫茶店を彷彿とさせるお店のスタイルは、ある世代の人にとっては懐かしく、若い世代には目新しいのかも知れない。
そして、この「星乃珈琲店」の売りは、コーヒーだけではなくフワフワのパンケーキだ。
スターバックスなどのカフェでは、作り置きのできるサンドイッチかパッケージされたパウンドケーキのようなものが中心。
同じカフェスタイルの「カフェ・ド・クリエ」だとワッフルやパスタなどのメニューがあるが、「星乃珈琲店」のように、一枚一枚焼いていると言う感じではない。
何より、カレーやドリアといったご飯メニューは、手間が掛かると思われるメニューにはない。
その様なご飯メニューがあるのが、「星乃珈琲店」の特徴でもある。
お客さんの注文に合わせ、1杯ずつドリップしたコーヒーをだす。
サンドイッチやパスタよりも食べるのに時間がかかる、ご飯メニューをあえて提供する。
スターバックスのオープンでカジュアルに対して、「星乃珈琲店」は逆を目指しているような気がする。
それが、コーヒーの美味しさを求める人にとって、今までのカフェでは満足できなかった人を引きつけはじめているのかも知れない。
まるで、向かい合っているのに話しもそぞろでスマホを操作するのを止めて、ゆっくり会話を楽しまれたらいかがですか?
その為に特別な一杯をご用意いたします、と言っている様な気がする。
ちなみに、個人的に気になっている珈琲専門店がある。
それは上島珈琲直営の珈琲店だ。
こちらもなかなかの人気のようだ。
そして、こちらのお店も「特別な一杯を心ゆくまで楽しんで、ゆったりとお過ごし下さい」と、言っている様な気がしている。