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「あまちゃん」と「半沢直樹」というドラマが教えてくれるコト

2013-09-29 19:17:26 | アラカルト

昨日、NHKの朝ドラ「あまちゃn」が終了した。
明日の朝、同じ時間・同じチャンネルを付けたとき、「あ!あまちゃん終了したんだ・・・」と、改めて実感される方も多いのではないだろうか。

そして、先週で終了したのがTBSのドラマ「半沢直樹」だった。
こちらも、番組終了直後から続編の期待が既におきている。
どちらも、久々の大ヒットドラマだった。

既に、様々な雑誌などで「あまちゃん文化論」や「半沢直樹ヒットの要因分析」のようなコトが書かれているので、拙ブログでは書かない。
書かないと言うよりも、視聴していない私が書くのは、失礼だと思う。

ただ、この二つのドラマの話題の部分だけを断片的に集めて考えてみると、ヒットの理由がわかるような気がする。
「あまちゃん」に限らず「半沢直樹」にも共通するコトが、「丁寧さ」なのではないだろうか?

これまで大ヒットドラマと言われたドラマの多くが、「出演者ありき」で書かれたシナリオが多かった。
特に、「トレンディー・ドラマ」と呼ばれたドラマなどは、脚本などは二の次・三の次で話題の漫画などの原作に、人気のあるタレントさんや俳優さんを起用するコトで、人気を博してきた。
一つの作品が高視聴率を獲得すると、次から次へと似た様な作り方のドラマが増え、テレビを見る側が飽きていた、と言う気がする。
それに対して、「あまちゃん」はクドカンこと宮藤官九郎さんが脚本を書き、「半沢直樹」の原作は直木賞作家の池井戸潤さんだ。
しっかりとした屋台骨となるものがあり、そこに丁寧に肉付けされたのが「あまちゃん」であり「半沢直樹」だったのではないだろうか。

考えてみると、バブル経済が崩壊してからビジネスの場面だけではなく、生活のあらゆる場面で「効率化」ということが言われる様になってきた。
「効率化」そのものは良いと思うのだが、それがいつの間にか「安直さ」になっているような気がするコトが多くなってきた。
目先のコトばかりにとらわれ、その場しのぎのような方法で、何とか乗り切ることばかりを考えて来たトコロに、時代感があり、その時代を丁寧に描くことができたのがこの2つのドラマで、ドラマを生かすために集められた俳優さんたちが、それに合うだけの演技をしたことが、大ヒットに結びついたように感じている。

一つ気になるのは、「あまちゃん」の「じぇじぇじぇ」はともかく、「半沢直樹」の「倍返し」と「土下座」は、使い方を誤るととんでもないことになる、と言うコトだ。
私くらいの世代なら、「倍返し」や「土下座」の意味も、使う場面も十分理解している(はずだ)が、ドラマに感化されて若い方が気安く使うと、取り返しがつかないことになる。
それだけは、老婆心ながら注意をしておきたい。