日々是マーケティング

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リニア新幹線とコンコルド

2013-09-18 17:36:28 | ライフスタイル

今日、JR東海が運行予定の「リニア新幹線」のルートと停車駅の発表があった。
「リニアモーターカー」と言う超高速列車の構想というのは、随分前からあったと思う。
新幹線の次はリニアだ!という感じで、語られてきた「夢の超高速列車」だ。

そのリニア新幹線だが、今本当に必要なのだろうか?と疑問に思ってしまう。
新幹線に比べると、随分エネルギーを必要とするようだし、生活者がそれほど「高速化」を必要と感じているのだろうか?と思ってしまうからだ。
現在の東海道新幹線の状況を考えれば、新しい新幹線は必要だと思う。
それこそ分刻みで到着する新幹線。
東京~大阪間の中心的移動機関だと思う。
利用客が増えるのに対して、これ以上の運行本数を増やすのには、限度があると感じているからだ。
しかし、東京~名古屋を40分で結ぶ程の速さを必要としている人達は、どのような人達なのだろう?

そんなコトを考えていたら、思い出した乗り物があった。
それが「コンコルド」だ。
「夢の超音速機」と言われた「コンコルド」。
日本に初飛来した時などは、テレビ中継される程の注目だった。
残念ながら、日本と欧州を結ぶ定期便として運航されるコトが無かったので、利用された方は余り多く無かったのではないだろうか?

実はこの「コンコルド」、利用していた人の多くがビジネスマンだったという。
欧州とアメリカを短時間で結ぶコンコルドは、忙しいビジネスマンにはうってつけの移動手段として、利用されていたのだ。
だからと言って、米国の巨大企業のCEOと呼ばれる人たちが利用していたのか?と言えば、決してそうではないらしい。
その様な人達は、専用ジェット機で世界を飛び回るので、あえて多くの人達が利用する(と言っても「コンコルド」は搭乗できる人数は、一般的なジャンボジェット機よりも少なかった)ので、利用するコトはない。
ある程度のエグゼクティブクラスで、頻繁に欧州と米国を行き来するビジネスマンが、主な利用者だったと聞いている。

そう考えると、数多くのトンネルをくぐり抜け高速で走るリニア新幹線の主な利用者も、ビジネスマンなのかも知れない。
少なくとも、車窓を眺めながら新幹線の旅を満喫する・・・と言う雰囲気はなさそうだ。
山梨側から眺める富士山も一瞬で過ぎてしまえば、その美しさ・雄大さを感じることもできないだろう。

コンコルドが退役をした理由は様々あるが、コスト面や運行時の爆音などとは別に、利用者が限られていた、と言うコトもあったのではないだろうか。
リニアがそうならないことを願っている。