日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

人材を創る・・・企業を伸ばすヒケツ?

2013-09-28 18:42:50 | ビジネス

日経新聞に、パート主婦を上手に活用して、業績を伸ばしている企業が紹介されていた。
日経新聞WEB:主婦のやる気、職場で開花 小売・外食最前線

ご存じの通り、今では「働く女性」の存在は、当然となってきている。
「専業主婦」と呼ばれる主婦の存在は、減っていくのでは?と言うコトも言われて久しい。
もちろん、「専業主婦」と言っても、様々な事情で「専業主婦」になっている女性は多い。
例えば、育児や介護のために一時期的に「専業主婦」となっている女性たちだ。
一方、「専業主婦」になりたくて、子育てが終わり介護もしていない状態で、専業主婦をされている方もいる。
女性のライフスタイルそのものが、とても幅広くなってきているのだ。

ところが、日本の企業も政治も固定的な「女性・主婦」のイメージで、とらえているのように思う。
そして、せっかく能力があるのに「パート」という、不安定な雇用によってもしかしたら、大きな損失を生んでいるかも知れないのだ。
それが記事中にある「しっかり働きたい派」のパートさんたちだ。
もし彼女達のように「働く意識が高い」短時間労働者を正規として雇用することで、社内に蓄積される目に見えない様々なノウ・ハウや固定客など、企業の資産が増えていくのではないだろうか。

同様に、「がん」などの病気になると職場を去る人達が多い。
先日、朝日新聞のWEBサイトに「がんによる損失 最大1.8兆円」という記事があった。
朝日新聞:がんによる損失 最大1,8兆円 厚労省研究班推計

日本人男性の2人に1人、女性の3人に1人が、がんに罹患する時代。
この損失額の多さは、驚く程ではないかもしれない。
多くのがん罹患者は、60歳を超えると増え始める傾向があるのだが、最近では40代、50代の罹患者が増えつつあると言う統計もある。
働き盛りのがんの罹患というのは、企業にとっても社会にとっても様々な意味で損失は大きい。
にも関わらず、多くの患者は職場を去らざる得ない状況にある。
何よりも職場を去るコトで、収入の不安によって治療を諦める患者もでている。

職場を去ることなく、治療のための時間調整をしながら仕事が続けられたら、その患者がもっている様々な能力を、企業は社内の財産として蓄積できる。
それは、今ではなく未来に生かされるモノかも知れない。
それだけではなく、人は大病をすると大きく人生観が変わり(実感)、今までとは違う視点で社会を見つめる様になるのだ。
「今までとは違う視点を得る」と言うのは、画一した企業組織の中ではなかなか生まれてこない。
そういう視点を生かすコトもまた、企業にとってメリットが大きいのではないだろうか?

様々な価値観、多様な経験を持った人を人材として生かす、成熟した経済の日本にとって、企業を伸ばす方法だと思う。