日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

新幹線誘致よりも・・・

2013-09-14 20:30:23 | ビジネス

昨日は、JR九州の豪華観光列車「ななつ星」のお披露目試運転があった。
突然、停車をするというアクシデントに見舞われたようだが、その車両の豪華さは「一度乗車してみたい」という気にさせる。

今年の春、近鉄が「しまかぜ」という大阪・名古屋→賢島を結ぶ、観光列車の運行を始めた。
当初の評判通り、予約がなかなか取れない状況のようだ。
こちらも、鉄道ファンならずとも「一度乗車してみたい」という列車だろう。

一方、古い発想の議員さんたちの中には「地元に新幹線」という、合い言葉があるようだ。
ここ東海地区では「地元にリニアを!」と言うコトになるのだが・・・。
しかし、新幹線を全国各地に走らせて、どれだけのメリットが地元にあるのだろう?
過去度々言われてきたコトだが、地元が新幹線のルートに決まると、その地域の偉い方々と誘致をした議員さんたちは喜ぶようだが、実際駅ができても駅周辺が閑散としている・・・と言うケースは多い。
中には、ルートには入ったが新幹線が素通りするだけで、地元には何も無かった。
無かっただけならまだ良いほうで、旧来の路線は廃れる一方で地域の過疎化に拍車をかけている、と言うケースもある。

と言うコトは、「新幹線が通れば、地域が活性化される」とは言えないはずなのだ。
逆に「ななつ星」のような特急であれば、その影響はまだ少ないのではないだろうか?
と言うのも、車窓から見る景色も旅の要素として考えているからだ。
東海道新幹線から見える、どこまでも続く似た様な風景ではなく、その地域地域にある変化に富んだ風景を楽しむ時間もまた、旅の楽しみとなるからだ。
「ナショナルジオパーク」に指定された地域などを結ぶ鉄道などは、「ななつ星」ほどの豪華観光列車は無理でも、「旅を演出する車両」を走らせることはできると思う。
それが、観光の起爆剤となる可能性はあるのではないだろうか?

速いだけが、乗り物の価値ではない。
そう教えてくれているのが、JR九州の「ななつ星」かもしれない。