日々是マーケティング

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SoftBank・孫さんの記者会見から考える、docomo

2013-09-30 21:11:13 | ビジネス

今日、SoftBankの新商品発表会があった。
印象としては、随分変わった商品(体組計)があったのには、ビックリした。
ただ、この前にiPhone対応の「活動計」を出しているので、その流れなのかもしれない。
これからは、「スマホで健康管理」と言う時代がやってくる可能性は、あるだろう。
もしかしたらこれらの機能に、定期検診のデータも組み込められるようなシステムが出来て、そのデータを基にかかりつけ医と一緒になって、健康管理・病気予防という考えが出てくるかも知れない。
問題なのは、そのデータが入っているスマートフォンは易々と買い換える訳にはいかない、と言う点だろう。
それも、データチップでの管理となれば、問題は少なくだろう。

そんなSoftBankの新商品の発表会で、孫さんの記者会見の内容が毎日新聞に掲載されている。
毎日新聞:ソフトバンク一問一答(記事は3頁分あるので注意)
この記事を読んでみると、おかしなことだがdocomoの戦略のようなことも見えてきた。

この記者会見で、孫さんは4,5年前にdocomoがiPhoneの取扱を始めていたら、「SoftBankは壊滅的打撃を受けていた」と、素直(?)に認めている。
逆に言えば、docomoは日本での携帯電話キャリア首位の座に居続ける機を逃した、と言うコトだ。
当時のdocomoは「反撃を開始」と言いつつ、「どこが反撃なんでしょう?」という、キャンペーンとその内容がチグハグな頃。
そして、この頃からdocomoの迷走(?)が始まったのだった。
もし、強気のAppleが提示する条件をdocomoが受け入れていたら、Appleの提示したであろう様々な条件をたやすく超えられたかも知れない。
そう考えると、今更ながらにiPhoneの取扱を始めたdocomoは、Appleが提示したであろう条件は超えられても、それ以上の日本での市場の優位性を保つのは厳しい、と言うコトになってしまったように感じる。

1ヶ月ほど前docomoがXperia専用として発表した「Xperia×初音ミク」の構想というのは、「第3のOS」と言われている「Tizen」を軸に考えられているのかな?と言う気がしたのだ。
もちろん、「Tizen」そのものは、開発をしたサムソンのGalaxyに搭載されるべきOSだと思うのだが、初音ミクの進化した過程とこの「Tizen」の「誰でも自由にアプリケーションを作ることができる」という点が、共通しているように感じるのだ。
docomoにとって、iPhoneにかかる負担が大きくなる可能性から、「第3のOS」への動きと結びついているのでは?と、感じたのだった。

逆にSoftBankがこの様な「自由に誰もがアプリケーションを作り・提供する」ということに、興味を示さないのは、通信障害やバグなどの問題を極力排除するためのように感じる。
それが、SoftBankにとって現在の優位性を保つ方法と、考えているのかも知れない。

何とも、不思議な感覚なのだが孫さんの記者会見でdocomoの戦略のようなものを感じたのだった。