◆日米豪の環太平洋防衛協力を示す機会
読売新聞などが防衛省からの情報として報じたところによれば、先日紹介したパシフィックパートナーシップ2014への参加へ、自衛隊が輸送協力を行うとのことです。
海上自衛隊は輸送艦おおすみ型の、くにさき、を訓練に派遣しますが、この際、アメリカ軍とオーストラリア軍部隊を140名輸送するとのことです。米豪軍部隊は輸送艦くにさき、にアメリカ海軍横須賀施設より明日29日に乗艦し出航、6月6日に最初の訓練地であるヴェトナムへ展開する予定です。
おおすみ型輸送艦は、満載排水量でアメリカのドック型輸送揚陸艦とほぼ同程度の規模を有し、外洋からのエアクッション揚陸艇による揚陸を主任務とするもので、装甲化された一個普通科中隊を基幹とした戦車小隊と特科部隊を含む中隊戦闘部隊を輸送する海上自衛隊の輸送艦で、三隻が建造されました。
今回の派遣は、大規模災害を想定し各国部隊及び民間団体との連携を演練する演習ですが、昨年に既に実施予定地区が決定していたものの、その実施国がヴェトナム、カンボジア、フィリピン、以上の参加国となっています。特にヴェトナムとフィリピンではともに中国からの軍事圧力が高まり極度の緊張状態にあります。
特に西沙諸島でヴェと南鐐を中国が武力奪取し係争地化した海域付近にて中国側が石油掘削工事を大規模に展開し緊張が激化、併せて26日に発生した中国船によるヴェトナム漁船襲撃事案はヴェトナム漁船の沈没という結果となっており、緊迫化は極度に達しています。
今回の演習は多国間の官民の防災訓練を以て信頼醸成を深める事ではありますが、同時にこの地域における軍事的緊張を強める中国に対して、各国の連携を以て軍事的挑戦を実行に移す事への一つの抑止力となるかもしれません。こうしたもう一つの責務も背負い、くにさき、は明日ヴェトナムへ出航します。
北大路機関:はるな
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)