母の足の具合があまりよくないので階段を避けて東のスロープから登ってゆく。我輩はこの道からは初めてだ。
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門司駅裏 以前は暗かったがここまで雰囲気が変わって明るくなるとは思ってもいなかった。
車ならただ通り過ぎるだけなのだがな。やはり自転車はいいなあ。きつい、汚いはつきものだし、汗は目に染みるし、塩の結晶が首筋に溜まるしな。日焼けなど当たり前で、レストラン等は門前払い。だから人が寄るような場所には極力近寄らないようにしている。以前いやな目に遭ったことがあるからな。トラウマではなくお互いのためだな。
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ニュースで「東京の何処どこのシャーレーポピーが見ごろです」「虞美人草とも言います」と言っている。
この言い方は間違っている。「虞美人草が見ごろです」「シャーレーポピーとも言います」が正しい。
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おもてなしをしてくれるボランティア(その昔の 虞姫さん達)が迎えてくれるのは有難い。我輩ではなく母中心にだが。
ヒメコ塚古墳 周溝を埋め戻している。意外と幅が広い
うーむ、壊すのか。この日まで実は例の彼とは来ていないし、母とも来ていない。だから両者を別々に連れてきたのである。
結局我輩はヒメコに会いに何回来たのだろう。戸山原なんか何十回も行ってるぞ。
保存樹があるお陰でこの古墳は破壊されずにすんでいるのかもしれないな。もしかしたら持ちつ持たれつで、共存しているのかもしれないな。すぐ近くまで道路の拡張が行われているのだが、これらを避けて通ってもらいたい。
もしかしたら道路脇が削られてしまうかもしれない。道路の向こうは住宅だからな。こちらを削ったほうが金がかからなくていいからな。とすると半分削られてしまっている墳丘が完全消滅してしまう。まあこの様な事は今に始まったことではないがな。
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この中で遊んでたと言う方にも会ったのだが、これから行く福丸1号でも「遊んだこともあるよ。まだ他にも沢山あったよ。」子供のころでも古墳だと判っていたらしくて、引掻いたり、落書きしたりとかしたことはないとのことだった。
ありがたいことだな。年齢を聞いたところ我輩と変わらない。今度会う機会があれば町からもらった報告書をあげるよとまで言ってくれたのである。こうしてみると片袖だし、天井が奥まで続いているから見やすい珍しい石室である。
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開口部の前斜面が急に落ち込んでいる。羨道の石材の一部だろうが滑落しているのがある。
この古墳公開中にあっては今や王塚古墳なんかなんのそのの竹原古墳である。
説明書きにあるのだが石室内に書かれてある四神(方角をあらわす)は90度間違っている。朱雀が右に書かれてあるのだから右方向は南でなければならないのだが実際は東を向いているのである。遺体を北枕にするために敢えて方角づけをしたのかもしれない。まあこの時代に北枕の習慣があったかどうかは勉強不足でなんとも言えないのだがな。
パネルの中にその写真があるが写真からはなんら感動が伝わってこない。やはり本物を拝まねば。母は夢にまで出てくるぞ。