リスペクト(事例紹介)コラムです。
今日は札幌さんです。J1昇格おめでとうございます。今度こそ、すぐにJ2に落ちる事なく、エレベータクラブを卒業して下さい。札幌さんは大好きなクラブの一つ。読者の方のリクエストのための全クラブチェックで、ちょうど今日札幌さんの公式サイトを観ていたところでした。札幌さんのニュース記事を見ると、いかに地域の宝になっておるかがよくわかる素晴らしい内容です。経営的には決して楽ではないはずなのに、まずはファン・サポーターと地域に目を向ける姿勢に感動します。札幌さんのサイトを観るたびに、大きな「違い」を実感する今日この頃です。先週の週末、見事J2優勝及びJ1自動昇格を決められました。おめでとうございます。順番に情報を抜粋して紹介していきます。まずは毎日新聞の記事。
【札幌、J1復帰「次はトップ10だ」:毎日新聞】
J1へは、野々村社長にとっては、選手時代の'01年以来の復帰で、社長としては初昇格。社長就任当初のクラブは、チーム人件費が少なく、強化費を捻出するため、まずは地域に愛されるクラブづくりを目指したとか。地域に愛されれば、広告収入なども得られる。強化費を増やすことができ、勝利につながると考えた。「『金がないからダメ』ではなく、自分たちができることを伝えた」と、クラブの方向性をサポーターにも提示。
さらに、アジアに進出し、札幌や北海道の「シティープロモーション」にも尽力。ベトナムのレ・コン・ビン選手や、インドネシアのイルファン選手ら東南アジアのスター選手を積極的に獲得し、現地のクラブと提携。「北海道だけでなく、東南アジアの子どもたちにも『将来はJリーガーになりたい』『コンサドーレに入りたい』と思ってほしい」とコメント。
今年2月からチーム名の頭に「北海道」を追加。新規スポンサーの獲得などに成功し、強化費も毎年約1億円ずつ上乗せ。「可能性を考えれば、国内トップ10に入れるチームになれる」と。
毎日新聞該当記事:http://mainichi.jp/articles/20161121/k00/00e/050/126000c
やはり、選手出身の社長は違いますね。民間企業、特に金融関係出身の社長は、どうも数字ばかりで地域に目を向けようとしない印象があります。自分達でできる、他はあてにしないという風に。これでは100年続かない気がします。たぶん長続きしないだろうと個人的に予測します。そういう面では、野々村社長のように選手出身の経営者は、ファン・サポーターと地域に純粋に目を向け、協働している印象が強いです。やはり、理想は選手出身のクラブ社長か。次は日刊スポーツの記事。ただ、数字を追うのではなく、実のある生きた数字を追っておられます。以下、抜粋して紹介。
【昇格札幌、J1定着に来季補強費11億円に増額へ:日刊スポーツ】
「所得倍増」計画でJ1定着を目指す。J2札幌野々村社長は21日、来季の経営ビジョンを決定。Jリーグの大型放送権契約を結んだことによる配分金増、新規スポンサー収益増、入場収入増の3本柱で、売り上げを一気に7億円増やし26億円まで拡大させる方針。'13年の社長就任時の11億円から4年で2倍以上にする積極経営でクラブ強化につなげる方向。
J1で戦い続けるために、まず財政面の強化を徹底。戦力補強をするには補強費が必要で、補強費を捻出するには、それなりの収入がなければ机上の空論化。今季の売上は19億円。野々村社長は確固たる根拠をまとめ「来季は7億円程度増やせる」と断言。
〔根拠1〕Jリーグからの配分金の大幅増額。
今季配分金はJ2で約8,000万円程度、J1で約1億5,000万円だったが、Jリーグの大型放送権契約を結んだ影響で、来季J1なら、約4億4,000万円の配分金が入る予定で、これだけでも昨季から3億の増収が確実。
〔根拠2〕新スポンサー「エフパワー」との契約。
1億円近い支援を受けられる予定であり、野々村社長は他にも仲間が増えており、更に新規スポンサーが増える状況にあることを示唆。既存スポンサーも、昇格と同時に支援額を上げるケースが多く、広告収入全体で数億円の増額の見込み。
〔根拠3〕収入の増加。
入場料収入は過去のデータから、J1昇格後は、J2時から約1億円の増収が堅いと分析済。配分金、広告収入、入場料収入と3収入の増額で7億円増。社長就任時の'13年の売上は約11億円だったが、4年で26億円まで伸ばし、これをベースにチームを強化。
「増えた分は可能な限りチームに還元したい」と野々村社長のコメント。7億のうち5億円を補強費にあて、今季6億から11億円に増額。新戦力は、交渉中の「タイのメッシ」ことチャナチップ選手、J1・FC東京の水沼選手を含む、計5人の獲得を目指すとか。
野々村社長は「(資金力で)今季がJで30番目であれば来季は15番目ぐらいになる」とコメント。現在、社長中心に社員総出でJ1生き残り資金獲得へ奔走中。1年で降格した'08年、'12年の経験を糧に、経営もワンランク上へと昇格させると締めくくっています。
日刊スポーツ該当記事:http://www.nikkansports.com/soccer/news/1741606.html
そして、ネットでいいコラムを探していたら、面白いブログを発見しました。どういう方がされているのかわかりませんが、実に説得力のある内容でした。そのブログ記事を抜粋して中身をまとめてみました。以下、抜粋して紹介。
札幌の昇格には、フロントが重要な働きで貢献。野々村社長の就任からチームの再建はスタート。'12年の降格による苦しい財政状況の中で、長年、力を入れてきた育成部門を軸に 昇格を目指す形に到達。そこにアジアの国からの追加補強。技術に自信がある下部組織出身選手に刺激を与えるために小野・稲本選手を、口説き落として都倉選手を獲得。若手を育て、見本となるベテランを加入させ、今季は外国人選手を特に強化。野々村社長の他に、三上GMの存在も重要。その編成の中での四方田監督の就任が、J2優勝とJ1復帰に導いたと締めくくっています。
赤の血潮と、青の魂ブログ該当記事:http://sp.plus-blog.sportsnavi.com/hototogisu/article/129
確かにこの方のブログ記事を読むと、コンパクトにまとめられていますが、かなり的確だと思います。何かうちのブログとよく似てますね。ただ投稿ペースが毎日以上かなと。よく札幌さんのサイトを観に行きますが、これだけ地域の宝になっていれば、地域全体からの後押しを受けて、いつでもJ1に復帰できると思っていました。あと、上のコラムでは26億円まで売上を伸ばすとありましたが、実はJ1時代の徳島さんが確か20億円だったと思います。あえなく1年でJ2に戻ってこられ、その後は下位に低迷されました。なので、ぜひ頑張って30億(確かJ1の平均額)の大台まで目指して欲しいと思います。札幌さんは、小野・稲本選手に代表されるように補強力も強いと思います。
あと、「北海道」の名前を新たに冠して1年目でJ1へ行かれました。中には実質的にホームタウンが狭まっていっているクラブも見うけられますが、スタンダードは広域化。札幌さんはその模範生です。広大な北海道の立派な道民クラブですね。読者の皆さんの地元クラブは県民クラブとして、県全体から応援してもらっているでしょうか。札幌さん、頑張って下さい。
J2札幌関連⑳:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20160802
〃 ⑲:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150923
〃 ⑱:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150830
〃 ⑰:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150218
〃 ⑯:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140202
〃 ⑮:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20131218
〃 ⑭:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130809
〃 ⑬:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130715
〃 ⑫:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130525
〃 ⑪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130424
〃 ⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130414
〃 ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121019
〃 ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120113
〃 ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090321
〃 ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090206
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〃 ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20071009
〃 ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20051228
〃 ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20051109