事例紹介コラムです。
全節にショッキングなニュースが流れました。オリ10(オリジナル10)である清水さんがJ2に降格するのです。サッカー王国清水を代表するJクラブで、Jリーグの強い市民クラブを象徴するようないいクラブでした。当ブログでは直接関わりはないですが、昨秋にJ1柏のホーム最終戦の観戦で日立台に行った時の相手が清水さんで、特にゴル裏の声量が大きかった印象が残っています。確か、この試合では大前選手に失点していた覚えがあります。J1クラブはめったにJ2に降格しないものというイメージがありましたが、もう降格経験がないオリ10は3チームしか無いのですね。清水さんのJ2降格でいろいろと報道がありました。まずはサッカーマガジンZONEと日刊スポーツの記事。
残留争いの瀬戸際にきての4連敗、9戦勝ちなし。清水が危ないという声が開幕前に囁かれるようになったのは2011年から。6年間率いてきた長谷川監督の退任後に、岡崎、藤本、兵働らレギュラー選手の半数以上が流出し、前年の戦力外通告での西部選手の退団劇は、チーム内にフロントに対する不信感が発生。この頃からチームは戦力的に歪な状況。新加入選手はテクニカルで小柄な選手が多く、特に毎年のようにサイドバックの人材が枯渇。その後の主力の流出が止まらず、代わりとなる戦力を補強しても、顔ぶれの変化が激しい中では一貫した強化など望めず。
近年の流れに追い打ちをかけたのが、後手を踏み続けた監督人事。2014年は前半戦から低迷。すでにゴトビ監督が求心力を失っていながら、リーグ17節まで続けた後にクラブブOBの大榎監督が就任。目指すサッカーの方向性が大きく変わり、続く今シーズンも序盤戦から攻守のバランスが崩れて下位に低迷。前期を再会で終えても解任に至らず、
誰もが早期の監督交代を予感し、水面下で動いているとの情報も早い段階からあった。しかし、ファーストステージを勝ち点13の最下位で終えてもクラブは解任に踏み切らず、8月1日の大榎監督の辞任をもって監督が交代。後任に就いたのは、その直前にJ2大分を解任された田坂監督。新指揮官にとっても選手にとっても、難しい状況。日本でサッカーがまだアマチュアだった時代から、その名を轟かせた日本の「サッカー王国」。しかし、近年の低迷ぶりは余りにもお粗末であり、クラブの一貫しなかった強化の果てが最下位でのJ2降格という最悪の結果。
サッカーマガジンZONE該当記事:http://www.soccermagazine-zone.com/archives/17930
'93年のJリーグ開幕からJ1の舞台で走り続けてきたチームの低迷は'10年のオフから。長谷川監督の退任とともに主力選手の戦力外通告に、選手はフロントへの不信感を増大し、この年だけで14人が退団。'11年は若返りを図るゴトビ監督と選手との確執が表面化し、小野、高原らのベテラン選手が退団。今シーズン開幕前のある選手の「目指している方向性が分からない」というコメントが今のチームを象徴。育成型クラブの方針を打ち出しながら、生え抜きや代表クラスの選手を放出し、若手も伸び悩む悪循環の連続。その場しのぎの補強を続けたチームは、ただの「寄せ集め」状態。
試合後、今後は主力選手の慰留に全力を注ぐが、来シーズンのビジョンは不透明。誰も責任を取ろうとしない体制に不信感を抱く選手は多く、このままなら大量流出は不可避。サッカーが盛んな街で産声を上げ、W杯日本代表7人を輩出してきた名門の歴史はここ5年で崩壊。抜本的な体質転換を図らない限り、J1復帰どころか、クラブの未来は見えてこないと締めくくっています。
日刊スポーツ該当記事:http://www.nikkansports.com/soccer/news/1554192.html
確かにここ数年、清水さんは迷走していたようですね。選手にクラブに対して不信感を持たれたら、おしまいです。一つになってこそのチームでしょうから。その上に監督ともうまくいっていなければ最悪です。こうなるべくしてこうなったのでしょうか。田坂監督はどこかの報道で「1シーズンに2チームを降格させた」と言われていましたが、細かい事は抜きにしてそういうものかもしれません。素人ながら、「清水のチーム」「清水出身」と聞けば、サッカーは上等というイメージがありましたが、これで磐田さんがJ1に上がれなければ、「静岡ダービー」がJ2で開催されるという珍事になりますね。そして、J2降格したチームは次の1シーズンがとても重要です。千葉化(千葉さんごめんなさい)しないように頑張って欲しいですね。そんな記事がサッカーマガジンZONEに載っていました。以下、抜粋して紹介。
'92年のJリーグ発足時に加盟した10クラブは、「オリジナル10」と呼ばれているが、市民クラブとして発足したJ1清水以外は、前身のJSLに所属していた企業チームが母体。’99年に横浜フリューゲルスが横浜マリノスに吸収合併されたためオリ10は現在9クラブ。去年までで5クラブのうち、実に3クラブ(浦和、G大阪、広島)が1年でJ1復帰。企業チームを母体にしているクラブが多いため、資金力があり、降格しても戦力の流出を最小限にとどめて戦えている様子。
着目すべきは1年での復帰を果たしたこの3クラブは、いずれもその後にJ1優勝を経験している点。広島の場合は、’07年に2度目の降格をしているが、この時も1年で復帰し、「オリ10の降格→1年でJ1復帰→その後にJ1制覇」という図式は変わず。それに対して、初降格から1年でJ1に戻れないと、千葉と東京VのようにJ2の常連化する傾向。この流れで清水さんの来シーズンはクラブの未来を大きく左右する1年になると締めくくっています。
サッカーマガジンZONE該当記事:http://www.soccermagazine-zone.com/archives/18002
確かにそうですね。少し前に連覇をした広島さんも、昨シーズンに3冠を獲ったガンバさんもJ2の冷や飯を経験しています。昔では浦和さん、おっとそういえば某黄色いチームも、J1復帰即優勝をガンバさんの前に記録しています。過酷なJ2を経験したら強くなるのかもしれません。記事が長くなったので詳しく紹介しませんが、今日の日刊サイゾーの記事に「解任するのはゴドビ監督ではなく、選手だった」というショッキングな内容が出ていました。降格するという事はこんなにも残酷なのでしょうか。
結果的にですが、清水さんがJ2に来られるのは楽しみな側面もあります。「オーレオーレ、オレオレ!」というグリコカフェオレチャント、サンバの応援もあるとか。清水さんで思い出すのが「パルちゃんショー」ですか、アイスタもこの機会に行ってみたいですね。これからも頑張って欲しいです。
J1清水関連⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140214
〃 ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120122
〃 ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100715
〃 ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090707
〃 ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20081020